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7/10

本来の性格

扉が静かに閉じると、

部屋にはまた、さっきまでの静けさが戻った。


毛布の端ををぎゅっと握り、さっき聞こえた言葉を何度も思い返す。

『二年間ずっと人形みたいだった』

そんなことが有り得るのだろうか?人形、つまり感情が感じられない無機質な存在だったということだろう。


赤ちゃんの体に、感情も意思もない“人形”なんて…そんなこと、あるんだろうか。

侍女が言ったことに嘘は感じられなかった。それに、私が「お父様、お兄様」と言ったときのことを思い出すと本当の事なのではないかと思った。


あのとき父は「やっと」と言っていた。どういう意味だったのかいまの私にはわからない。


私は今何もわからないのだ。

この子の名前がティアローズ、ティアという愛称で呼ばれていること。産まれて二年間と言っていたから今は2歳だということ。父と兄がいるということ。なんかお金持ちそうなこと。

これだけしか知らない。


父の名前も、兄の名前も知らない。

この子の母親はどうしているのかもわからない。


「なにもわかりゃないわ」


この子に申し訳ない気持ちはある。

ーーでも私のせいなのか?という気持ちもある。

てかなんもわからずにこの状況になってる私も大概可哀想じゃない?


色々考えていると藤永(ふじなが) 穂乃香(ほのか)の本来の性格が覗き始めた。“穂乃香”は快活で前向きと周りに言われるほど明るくて、ギャルマインドを備え付けていた。


知らない環境にいきなり放り込まれ、知らない身体になっていたことで精神が不安定になり暗くなっていたが、時間が経ち考える時間が持てたこと、お腹いっぱいになったことで精神が安定してきたことが理由だろう。



「もうめそめそしにゃい。こうなったりゃこのじょうきょう、たのちんでやりゅ!」




22歳オンナ、2歳(?)オンナノコに転生したっぽいけど


まぁどうにかなるか!!



“穂乃香”こと“ティアローズ”は考えるのを放棄した。


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