夏の光
ひと夏の… 一生の…
きらきらと ふわふわ揺れて…
疲れた貴方を少しだけ癒せたら嬉しいです
真夏の声が時雨のように降り注いでいた
その亡骸は静謐に
乾いた大地の上に横たわって
時折 吹く風に翅は
微かに 揺れていた
長い長い間 冷たい暗闇のなか
何を 想っていたのだろう
どんな夢を見て
どんな希望を抱いて
どんな不安を抱えて
眩しい夏の光 何処までも
世界は果てしなく続いている
君の見た青い空は綺麗でしたか
君の触れた風は鮮やかでしたか
今 命を終えて 土へ還ろうとする君
葬列のように無数の蟻たちの行列
君の恋した あの人は優しかったですか
君の想いは あの人にそっと宿って
きっと 君は精一杯 生きたのですね
僕は 静かに 君の灼きつく7日間に
敬意をこめた黙祷を捧げます
風が吹いて 1日の終わりが
相貌を見せて 奇蹟みたいな夕暮れ
世界を包みこんでゆく
君の声が 君と同じ懸命な声が
一瞬の夏の歌声のように
世界に奏でられていた
誰かが見ていてくれると思います
誰かがきっと覚えていてくれて…
だから 歩いていけるのだと思います
ありがとうございました