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怠惰な教師達。

 他のクラスの実行委員の言うとおり、今回の体育祭の担当である教師がさほどやる気を出していない以上、生徒達が実行委員を組んだところで無意味にも等しい。


 本来の学校ならば教師達が複数人で先に立ち、実行委員等を引っ張っていくものだろう。

 だが当校では、教師達は他の業務に追われる事が多く、こういった学校の行事等にはさほど力を入れない教師が多い。


「おいおい、マジで先生いねぇのかよ……。 それじゃ体育祭なんてやる意味あるのかよ……。」


「おい、帰ろうぜ。俺、塾があるんだよ。実行委員があるからってわざわざ時間を遅らせてきたのに、これじゃ意味ねーな。」

 会議室に入って来た生徒達は、次々に先生に対する不満を漏らす。


「どうしよう、樹山君!このままだと実行委員も揃わないし、体育祭自体が開催出来なくなっちゃう!」

 中野さんの言葉通り、実行委員は一人また一人と消えていき、残った実行委員は俺と中野さんのみになってしまった。


「生徒達だけで何とかしようと思った考えが甘かった。これは由々しき事態だ。俺が校長に直談判するよ。」


「え!?ちょ、直接!?」


「そう。そうしないと多分、他の教師に言ったところで現状から大きな変化は見られないと思うんだよね。」

 先述したように、ここの学校の教師達は基本、自分達の業務しか考えていない。 しかし体育祭や文化祭などの行事は、生徒達だけではなく保護者も楽しみにしているものだ。

 教師達ならばそれを理解しているはずなのに、いったい何を考えてるのか。


ーーーー校長室。


「というわけです。このままでは実行委員達も集まらず、まともな体育祭を開くことは不可能だと思われます。 なぜ先生方が手伝って下さらないのか分かりませんが、このままでは生徒達だけではなく、保護者にも迷惑がかかり、最悪保護者からの苦情も来るものと思われますが……先生方はそれを理解してのことでしょうか。」

 俺の言葉に、校長先生が呼んだ教頭先生と共にひどく驚いていたが、早々に決めないといけない課題ばかりで正直、俺たちは焦っていた。


「校長先生。今回の出来事により、他のクラスの実行委員等は非協力的です。このままでは実行委員を集める事はおろか、体育祭自体を開くことも不可能に近いと思われます。」

 

「今年入ってきた先生達は、初めて担任になった先生が多いの。だからおそらくだけど、自分達の仕事が一杯で、行事の事まで手が行き届いてないんじゃないかしら……。」

 校長先生の言いたい事はわかる。だがそれはそれ、これはこれだ。


「とにかく校長先生、早めに教師達と会議を開いて下さい。このままじゃ俺達生徒達だけではなく、保護者等の怒りの声が湧き上がってきますよ。」


「わかりました、早々に会議を開きます。教えてくれてありがとう、樹山君。」

 俺達は校長先生、教頭先生に頭を下げ、校長室を後にするが、正直さっきも言ったようにこの状況を覆すことは難しい。


ーーーー一体どうしたらいい……。

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