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澪の心の内。

 私の名前は『樹山澪』 兄さんの事が、大好きで大好きで仕方がない『義理』の妹です。

 兄とはずっと昔から一緒に過ごしており、慕っております。義理の妹で、血が繋がっていない為、結婚も出来ます!


 そして、今日は兄さんの提案により、栗山さんを交えての勉強会です。

 私としては、いささかではありますが、この勉強会には反対です。


何故ならば、『兄が栗山さんと話してしまうから』『栗山さんが兄の事を間違いなく好きだから』です。 まぁ、他にも理由はありますが、とにかく栗山さんが兄さんに接触するのを、何としても避けなければ!

 

 とは思っていたものの、兄さんの友達の山田君にしつこく言い寄られ、非常に迷惑していたところを、栗山さんに助けられてしまい、追い出す口実を失ってしまいました。


 しかし、私も黙って指を咥えて見ている訳にもいきません!


 私は今まで数多くの男達から言い寄られて来ましたが、全て断ってきました。それは『兄さんと比較して、その全てが劣っているから。』そして何より『兄さんを愛しているから!』です。

 ですから、兄さんと結ばれるのは必然! それをぽっと出の栗山さんに取られるなど、あってはならない事!

 いえむしろ、有り得ない事なのです!!


「に、兄さん!栗山さんは私が教えますので、兄さんは梓をお願い出来ますか!?」

 私の言葉も虚しく、栗山さんからは『嫌に決まってんじゃん!』と、イラッとする一言を、梓からは『私はお兄ちゃんに教えてもらうつもりなんだけど!?』と突っぱねられる。


 わ、私だって……兄さんから教わりたい!事細かに、手取り足取り教えてもらいたい!

 そしてあわよくば、結婚までこぎつけたい!


 そもそも兄さんが栗山さんを呼んだりしなければ、私はこんな思いをしなくて済むというのに……!

 いや、待ってください!? そもそも栗山さんがいなければ、勉強会にすらなっていないはず!

 と言う事は、栗山さんが勉強会の提案をしてくれているから、今の天国があるという事!

「ありがとうございます!栗山さん!」

 私はついつい思っていた事を口走ってしまった。


「えっ、何が? ってか澪っち、めちゃくちゃ面白いんだけど!?」

 ケラケラと笑う栗山さんを見て、『あぁ、深く考えてはいないんだなぁ』という安心感と、『彼女の様に明朗快活になりたい』という感情が私の中に芽生えてきていた。

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