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サボりたい人。

「はい、では中間テストの対策問題をやっていきたいと思います。」

 この日は休みで、俺の家で勉強会をする事になった。

 俺の部屋に集まっていたのは、俺と澪、梓、栗山さんの四人だ。

 この中で勉強ができるのは俺と澪のみ。後の二人は人並みか、それよりもちょっと下というところだろう。


「ではまずは基礎問題を解いて行ってみようか……。」

 先行き不安だがやるしかないな……。俺達はただ、黙々と机に向かってカリカリと問題を解いていた。


「樹山君、この問題ってどうやって解けばいいの?」

 どことなく甘い口調で呼んでくる栗山さんを澪が封じてくる。

「栗山さん!分からない所があったら、ドシドシ私に聞いてくださいね!」

 

ーーーー二時間後。


「飽きたよ〜〜!早速飽きちゃったよ〜〜!」

 真っ先に床に寝っ転がったのは、他でもない栗山さんだった。 まぁ、飽き性なのは分かっていたけど、これほどまでとは……。


「兄さん、ここら辺で休憩しませんか? そもそも人間の集中力は90分が限界と言われています。 研究データによっては45分、場合によっては8秒なんていう数字も出されているぐらいです。 闇雲にやっても記憶には残らないと思いますしここら辺で息抜きしましょう。」

 俺は澪の言う通りに、しばらくの間休憩を取る事にした。


ーーーーそんな矢先の出来事だった。


ーーーーピンポーン。


 玄関の呼び出しチャイムが鳴ると同時に、モニター付きインターホンに顔が映し出される。

「や、山田君!?」

 モニターに映っていたのは澪がフッたばかりの山田君だったのだ。


「何コイツ……。自宅まで乗り込んでくるなんて最悪なんだけど……。」

「お兄ちゃん、コイツ何とかできない!?」

 栗山さんも梓も完全に怖がってしまい、萎縮している。


「どちら様ですか?」

 俺は山田くんがばっちりモニターに映っているのを分かっていながら、わざと知らないふりをする。

「山田だよ。樹山君、君の妹さんに用があるんだ、代わってくれないか!?」


「用事ってどんな用事だ? ハッキリと教えてくれなければ代わる気はない。」

 俺はあくまでも冷静に山田くんに問いかけた。彼がもし澪につきまとっているのだとしたら、それは完全なストーカー行為だ。やめさせなければならない。


「ねぇねぇ、山田っちの事、私にちょっと任せてくんない?」

 俺と山田君がインターホン越しに話していると、栗山さんが横からスッと顔を出してきた。

「な、何するつもり……?」

 

「まぁまぁ、樹山君達には迷惑かけないようにするからさ!」

 若干信用の出来ない言葉だったが、ここはひとまず栗山さんに任せてみる事にしたのだった。

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