解放。
「今回の騒動を受け、あなた達四人を2週間の謹慎処分とします。」
先日の騒動から、いじめっ子達である四人に対して、生活指導の先生及び担任の教師から2週間の謹慎処分が言い渡された。
一方、栗山さんは終始坂崎さんをかばう姿勢を見せていたと、坂崎さん本人からの証言もありお咎めなしとなった。
今回の騒動を受け、クラスメイト内でグループメッセージを作り、やり取りをする事は一切禁止となった。
なお坂崎さん自身はといえば、いじめられていたとはいえ俺と仲がいいという事を盾に、いじめっ子達四人に対して罵声を浴びせたりマウントを取ったということで厳重注意となった。
「良かったですね、兄さん!」
「ありがとう、これも澪と梓のおかげだ。」
「お兄ちゃん!私へのお礼として、今日一緒にお風呂に入ろうよ!」
俺は澪と梓と一緒に学校から下校していた。毎日の授業は平凡で退屈だった。
でももし栗山さんが今回グループメッセージに招待してくれなかったら、この事件が明るみに出る事はなかったのかもしれない。
ーーーーそう考えると少しゾッとした。
「樹山君、樹山君!ちょっと待って!はぁ、はぁ、帰るの早すぎだよ!」
俺達の後を追ってきたのは栗山さんだった。
「栗山さん……。どうかしたの?」
「いや、あの……………。あ、ありがとうね!グループメッセージの事!」
「あぁ、いや、あれは栗山さんがグループメッセージに俺を招待してくれたから良かったんだ。でなければ、まだ解決はしてなかったと思うよ。」
あの事件があって四人が謹慎処分を食らった後、グループメッセージは削除された。
「坂崎さんは『申し訳ないから顔合わせができない』って言ってたから、私から代わりに3人にお礼を言うね、本当にありがとう!」
栗山さんは見た目ヤンキーでギャルっぽいが、中身はこんなに礼儀正しくてとっても人思いで優しい。
それから俺達は、栗山さんから図書館での出来事も教えてもらった。
あの日皆は坂崎さんを出し抜くために、俺を呼びつけ同じ席に座らせ、誰かが俺の彼女になってしまう、もしくは坂崎さんよりも仲良くなる事によって、彼女にマウントを取るつもりだったらしい。
ーーーー本当にくだらない。
「ごめんなさい。彼女達の圧がすごくて、どうしても話せなかった……。」
そこまで話すと栗山さんは堰を切ったかのように、わぁっ!と泣き出してしまった。
「別に栗山さんのせいではありませんよ。わ、私は馴れ合うつもりはありませんが、あなたの考えには激しく同意いたします。」
「そうだよ、栗山さんが責任を感じる必要なんてないんだからね!」
今回は珍しく梓と澪は栗山さんに同意し、彼女の手を取って一緒に泣いていた。




