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樹山姉妹。

「それと、彼女……坂崎さんなんだけど、『あんな性格』とは言ったけど、それでも昔はおとなしくて優しい性格だったんだよ。でも急に病み始めちゃって、気が付いたらあんな性格になってた……。」

 栗山さんは坂崎さんの昔の性格と、今の性格が大きく変わってしまったと悩んでいるようだった。


 授業が終わり、下校の時間になると坂崎さんが挨拶をしてくる。

「それじゃ、さようなら!樹山君!」

 いつも聞いている挨拶のはずなのに、あのグループメッセージを見た後では、どうやって返事をしたらいいのか、迷ってしまった。


「あ、あぁ……じゃあ、また。」

 

 俺はそのまま坂崎さんとわかれ、帰り支度をすると、澪がゆっくりとやって来た。

「坂崎さんの事を気にしているのですね……。やはり、あのグループメッセージが関わっていたのですね……。」


「そうだな……でも、どうしたらいいか。」


「坂崎さんに全く関わらないという事は無理がありますが、一つだけ方法があります。」

 澪はそう言うと、俺にその方法を教えてくる。

「なるほど……もしかしたら、有効かもしれないな。まだ一年生も始まったばかりなのに、こんなギスギスした状態で日々を過ごしたくはないしな……。」

 

 帰り道、俺は澪と話しながら歩いていると、前に見覚えのある後ろ姿を発見する。


「梓も同じ時間に下校なんて珍しいな!」

 俺は後ろからそっと忍び寄ると、バッと後ろから肩を掴み、声をかける。

「きゃっ!!ってお兄ちゃん!? お姉ちゃんも一緒!?はぁ?マジでありえないんですけど!?」

 梓は俺の顔を見るなり満面の笑みを浮かべるが、後ろにいた澪の姿を見るなり、一気に不機嫌になってしまう。


「あらあら。ここまで嫌われてしまうなんて、丁度いいわね。これで遠慮なく兄さんとイチャイチャ出来ますね!」

 澪は梓に向かってニヤリと不敵な笑みを浮かべると、ここぞとばかりに俺の腕にしがみついてくる。


ーーーーふにょん、と腕に当たるふくよかで柔らかな感触。


「兄さん、どこぞの貧しい谷間煎餅よりも、この豊満なマシュマロの方が美味しいと思いませんか?」


「なんですって、お姉ちゃん!? 誰が煎餅よ!?そんな脂肪の塊、あればあっただけ地球の重力で垂れ下がってくるんだから!」


「誰も梓の事を言ってる訳ではないんですけどね〜。」

 梓と澪の見にくい戦いは暫くの間続いていた。

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