内容。
「そうよ、そのために来たの。でも、だからこそ何もしないでおいてもらいたいの。」
どういう事だ?俺に何かやって欲しい事があるから、梓はわざわざ来たんじゃないのか?
「どういう事だ?梓の言ってる事がイマイチ理解できないんだが……。」
「これからお兄ちゃんには、グループメッセージがどんな風に展開されていくのか、その内容を見ていてもらいたいの。」
「その前に梓に聞きたい事がある。グループメッセージに参加しているのは一体誰なんだ?」
俺が知っているのは中山さんと坂崎さんの二人だ。その他に参加しているといえば、このグループメッセージの内容を知っている梓くらいなものだが、他に誰かいるのだろうか。
「そうね。お兄ちゃんの知っているところで言うと、図書館で出会ったメンバー5人は全員入っているわ。他にはもう知っていると思うけど坂崎さんね。 後は私とお姉ちゃん、それとクラスメイト数人ってところかしら。」
聞くところによると、主な発言者は坂崎さんで、他には図書館で出会ったメンバー5人らしい。
梓の話によれば、グループメッセージで知っている坂崎さんと、俺の知っている坂崎さんとでは、大きな違いがあるという事らしい。
「お兄ちゃんの知っている坂崎さんのイメージだと、多分だけど大人しくて、責任感のある優等生タイプじゃないかしら?」
梓の言う通りの人物像だった。という事は、梓が知っている坂崎さんのイメージは違うという事になる。
「私達、グループメッセージメンバーからすると、坂崎さんは独裁者のイメージね。ただ、私のハンドルネームは坂崎さんは知らないから、多分クラスメートか誰かが聞いているだけだと思っているんじゃない?」
梓はどうやってグループメッセージのメンバーに入ったかわからないが、梓がこういった類の嘘をついたことは一度もない。
「わ、分かった。とりあえずグループメッセージの動向を観察してみる。 今のところは梓が言っている事と、グループメッセージの内容が合致しているというところを理解すればいいんだな?」
「そういう事。学校ではグループメッセージの事は気にせずいつも通りの態度で接しててくれればいいから。とにかくバレないようにね、じゃね!」
そう言って梓は自分の部屋へと戻っていったのだった。
「あんな事を言われたら、グループメッセージなんて開きにくいだろうが……。」
俺はそう言いながらも、おそるおそるアプリを起動し、グループメッセージを開く。
ーーーーそこには……。
『ミィ様は私が貰うから!あんた達はすっこんでな!わかったね!?』
サッちゃんと表示されているが、コレはさっき、中山さんとやりとりしていた坂崎さん違い無かった。 遡ってみると履歴もしっかり残っていた。
ーーーーあまり話した事はなかったけど、俺が思っていたイメージと、確かに大きな違いがあるな……。
俺はそれからしばらくの間、グループメッセージのやり取りを見ていたが、坂崎さんの独裁的なやり取りに疑念を抱きつつあった。




