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危惧していた事態。

「い、今から時間!?」

 俺は栗山さんからの思いもよらない電話に戸惑っていた為か、ついつい大声を出してしまった。

 元々、掛かってきた電話に強く警戒していた妹達は、俺が不意に上げた大声に、更に警戒したようで、澪は俺から素早くスマホを取り上げる。


「私は樹山湊の『義理の妹』の澪と申します。そちら様のお名前を伺っても?」

 澪は少しばかり不機嫌そうな表情を浮かべながら、それでも冷静を装った物言いで相手に語りかけた。


『澪ちゃんか。徹底してんね、妹ちゃんは。私はさっきまで一緒にいた栗山だよ。ほら、チラ見ランキングで一位になった、栗山!』


「知ってますよ。あなた達みたいな方々が兄さんのそばにいると、兄さんに悪影響でしかありませんので、兄さんに近寄らないで頂けますか?」


『ん?無理。無理無理。だって私、樹山の事好きだしさ。』

 ん?栗山のヤツ、今サラッと問題発言しなかったか!?

「あの、これ今……スピーカーモードにしてますから、あなたの告白が兄さんに聞こえてますよ?」

 澪はどうやら、俺に対する悪態等を吐露するかも知れないからと、全員に聞こえる様にスピーカーモードにしていた様なのだが、それが裏目に出てしまったらしい。


『……………うわっ、え、マジ!?はっず! え……とさ、樹山。い、今のは聞かなかった事にしてくれないかな……。折角これから会えるのに、なんか恥ずいじゃん……?』

 まさかスピーカーモードになっているとは思っていなかった栗山さんは、さっきの公開告白を無かった事にしてくれないか、と提案してきたのだ。

 勿論、出来る事なら俺もそうしたい気持ちなのだが、もう壮大な告白を聞いてしまった以上、無かった事に出来る筈も無く……。


「そ、それは流石に難しいかな……と。」

 俺もそこまで賢者では無い。正直に言うと、栗山さんからの告白は、直接ではないにしろ嬉しかった。

 栗山さんは、髪の毛こそ黒髪だがロングヘアーをポニーテールにしており、制服は着崩し、スカートは丈を詰めたミニスカート、ネイルもバチバチで、切れ長の目に整った顔立ちにモデル顔負けの体型で、学校では教師に目を付けられてはいるが、男女共に絶大な人気を誇っており、特に男子生徒からの人気が高い。

 そんな人気の美少女が、俺に告白なんてあり得るだろうか。


 そんな浮かれた表情を見て焦ったのか、澪は通話相手の栗山さんにとんでもない事を

言い始めたのだった。


『栗山さん、協議をしませんか?』

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