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謎の音の正体
まよの部屋に戻ると、ふすまに施した爪研ぎ防止用のシートが根こそぎ剥がされていた。そしてシートとともにふすま紙も派手にめくれて垂れ下がっている。
やられた。爪は研げないけれど、めくることはできたのね。
呆然と無惨に破れたふすまを見ていると、破れたふすま紙の下に模様が見えた。まさかと思い、ふすま紙を全て剥がすと、そこには日には焼けているが美しい模様が現れた。霧の中に浮かぶ山々の絵であった。
まさかこれは、かの有名な絵師狩野泰秀の作で、オークションで時価三千万円の値がついたものではないのか。
なんてことがあるわけでもなく。当然、絵師狩野泰秀なんて人も実在しない。
少し古いが破れているよりはましなので、そのままにすることにした。




