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巫女乃禄  作者: 若猫老狐
白と黒
98/182

これからの… (5)

騒動から数日が経ってしまったが天青高校はいつもの日常を取り戻した。

休校となってから久しくクラスの生徒と顔を合わせる。

風花はやはり後悔だろうか、

いつもより気分の優れない顔で教室へ入る。

「おはよう風花」

「あぁ青井…おはよ」

席に座っていた青井と挨拶を交わす風花。


続けてハルとヒセが寄って来るはずなのだが、

「おはよう風花さん」

高山が何食わぬ顔で挨拶したきた。

「た…高山くん!その…怪我は大丈夫?」

「おかげさまで…風花さん…この前はありがとう」

改めて感謝の言葉を送る高山は風花を見つめたままだ。

「ぁ…いやいや…それほどでも!」

「俺…風花さんの秘密を知れて良かったと思ってる」

あの出来事で高山は益々風花を想うようになったらしい。


「俺はやっぱり風花さんの事を諦めたくないから……とりあえず連絡先の交換から始めないかな?」

鬱陶しいと思われるかもしれないが、

それでも高山は手を差し伸べる。

「えぇと…私は…」

恐らく断るのだろうと見越して青井が肩を叩く。

後押しされて風花は渋々携帯を取り出した。

「うん…じゃあ連絡先だけ…ね?」

「ありがとう風花さん!これからもよろしく!」

それから二人はメールや電話を交わし校内でも一緒になる機会が増えるのだが詳しくは後の話となる……。



「……」

薄暗い部屋でウェンフーはただモニターを見つめていた。

けしかけた鬼と"以津真天"はあえなく妖滅巫女に滅せられたからである。

「わざわざあんな細工を施したのに無駄に終わったようだね?」

モニターを後ろから覗く影が一つ。

後頭部が長いがそれ以外は人の形である妖怪はぬらりひょんである。


「構わん…どうせ捨て駒だ」

その結果を何とも思わずウェンフーはモニターの電源を消す。

此処は妖怪一派のアジト。

都会の地下に隠された広大な施設の一端に過ぎない。

「そちらの首尾はどうだ道我」

道我と呼ばれたぬらりひょんの男は首で招く。

この施設を作った男であり過去にクリュウ達の武具を造った者でもある。


「反応は至って安定しているよ」

カプセルの中には管で繋がれた人間の姿。

「あれの覚醒に呼応するように彼女は目覚めた…恐らくは何か関係があるんじゃないかな」

「どうだろうな…ただの偶然…と言えば簡単だ」

道我の推測もあっさり蹴るウェンフーはカプセルの中身を見つめる。

「そろそろ…お前の出番のようだ……黒巫女」

ウェンフーが名付けたそれはゆっくりとまぶたを開ける。

紅い瞳はウェンフーを見つめ長い髪は白くなびいていた……。

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