御山騒動 〜6合目〜
これまでの行動……
娘伯・椿鬼・クリュウ…結界内部の石碑を破壊、結界消滅後は山頂へ向けて移動開始…
青井・風花・ハル・ヒセ…都会妖怪を撃退、石碑を破壊し結界消滅……
「おらおらどうしたい!そんなんじゃ私らの勢いは止められないよ!」
燃え盛る炎が駆け都会妖怪を焼いていく。
クリュウは恐らく初めて妖怪を倒す高揚感に包まれていた。
「山の木まで焼かないように」
御札を盾にし娘伯はついて行く。
既に数多の妖怪に包囲され10分が過ぎただろうか。
寧ろ追い詰める勢いで娘伯一行は山の頂上を目指している。
娘伯の後ろでは近寄る妖怪を拳だけで返り討ちにする椿鬼。
「全く容赦の無さは相変わらずじゃな」
「感心してる場合じゃないでしょ」
娘伯も隙を狙った妖怪に小刀で応戦していく。
「悪いねぇ獲物は取っておけない質なんだよ」
気圧された都会の妖怪は後退りして逃げる様を晒す。
「待て…?」
逃げようとする妖怪を大型犬の妖怪…山犬が食いかかる。
それに続いて山伏姿の人…天狗が残党を叩きのめした。
「どこの誰か知らぬが助力に感謝する」
「あんた…御山の大天狗か!」
正体に気付いたのはクリュウだ。
「その髪に首の鈴…クリュウ殿か!久しいな!」
大天狗の元に集結した山犬や天狗を見るに彼らが御山の妖怪だと察する事が出来た。
「知り合い?」
「昔世話になった連中だよ!豆田は居るかい?」
「いや…今は山神様の所で偵察に行ってしまっている
後ろの御人は連れの者か?」
娘伯と椿鬼はさっくりと自己紹介を済ませる。
「妖滅巫女…その名は烏の噂で聞いた事がある」
「それはどうも」
「ここまで来るのに苦労しただろう?
近くに御山一派の拠点があるから案内しよう」
「やれやれやっと休めるのう」
酒も切れそうで不機嫌になりかけた椿鬼の顔はみるみる元気になった。
「そろそろ日が暮れるな…ハルやヒセは大丈夫かね」
「青井…風花…」
「何しょげておる!御主らの愛弟子なら問題ないじゃろう!」
二人の肩を押しのけ椿鬼は大天狗達についていく。
「御山の料理と酒でおもてなししよう」
「それは楽しみじゃな!ほれクリュウ!娘伯!早よ来い!」
呼ばれた2人は顔を見合わせて少し笑み椿鬼の元へ向かった……。




