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巫女乃禄  作者: 若猫老狐
御山騒動
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御山騒動 〜3合目〜

これまでの行動…

青井・風花…御山を南から探索中。

娘伯…川辺で謎の妖怪と交戦。

椿鬼…休憩を終え、娘伯と妖怪の仲裁をする。

「な…なんじゃ御主らも知り合いじゃったのか?」

「知り合いなんてもんじゃない!

学校に潜んでた妖怪を私達は探ってたんだ!」

件の妖怪…獏は結局娘伯が退治した。

「それで…貴女は一体何者?」

「私はクリュウ!前まで九尾の…今は八尾狐のクリュウだ!」

どんと胸を張りクリュウは自己紹介をする。

「訳あって人助けをしておってな

今は"退魔組"を作って人知れず妖怪退治をしてもらっておる」


「なにそれ聞いてない…椿鬼…今まで隠してたの?」

迂闊な事を喋ってしまったと椿鬼は頬を掻く。

「最近社務所の金庫が減ってるって伯父に疑われた…」

「あぁ椿鬼からは報酬金をそれなりに貰ってるぞ?おかげで生活には困らな…い」

娘伯の顔が今までに無い般若へ変わった。

「ま…まぁまぁまぁ娘伯や今回その話は置いておこう

時にクリュウは何故此処へ?」


必死で話を逸らすが娘伯は怒ったままだ。

「昔からの知り合いに御山の山神を助けてくれって頼まれてねぇ…もしかしてあんたも?」

ゆっくりと頷く娘伯だがやはり般若の表情は変わらない。

「そ…そうか…目的は一緒なら此処は一つ共同戦線と行かないかい?」

見ず知らずの妖怪と手を組むのは疑うべきと娘伯は教わった。

「椿鬼の友達なら…今だけ手を貸して」

「手を貸すも大船に乗った勢いで任せてくれよ!」


しかし八尾狐と言えどやはり妖怪。

結界に阻まれてクリュウも立ち往生していた。

「ダメじゃん」

「あんたは人間なのに結界通れないんだろ?

私らと同じ妖怪なんじゃないのかい?」

妖怪に妖怪呼ばわりされ娘伯は怒りそうになる。

珍しく感情的な娘伯を椿鬼が宥めた。

「結界なら娘伯の仲間がなんとかしておる…そう言えば二人を見かけないの?」

「あぁハルとヒセの本質は"石"だからね

結界内に入れたから今頃は…」



「これで二つ目!順調!」

風花が既に慣れた要領で石碑を押し崩す。

ここまで無警告に襲ってきた妖怪は二度撃退し体力の消耗も抑えられている。

「でもこの調子だと日が暮れそう」

不慣れな山を夜歩くのは危険だと教わっている。

しかしこの依頼が長丁場になる事は想定していなかった。

「食べ物はあるけど…ん?」

何処かで草の音が聴こえて武具を構える風花。


「何か居る…?」

ガサリと後ろから聞こえると今度は横から、

相手は素早く立ち回り2人を撹乱している。

「青井!撃って!」

「でもどこに居るか分からないよ!」

「威嚇にはなる!」

霊的空気三弾銃を草むらへ撃つ。

ドンと三発の球弾が虚しく消える。

「はあぁあぁ!!」

風花目掛け巨大な左腕を備えた少女が飛び出した。


「来た!」

神楽鈴と大幣を交差し機械仕掛けの剛腕を受け止める風花。

「な!…まだだ!」

少女の剛腕は勢いよく変形し風花に襲いかかる。

「うぇ!?わあぁ!」

吹き飛び木の根へ激突する。

好機とばかりに今度は瓜二つの少年が現れ、

青井に棒状の武器を繰り出す。


「近い…けど!」

霊的空気三弾銃に付けた銃剣で少年の得物を弾く青井。

しかし棒状の武器は3つに分かれ蛇のようなしなやかさで三弾銃を絡み上げた。

「やっぱり妖怪は……あれ?」

「…貴女は…ぁ!」

顔が迫り青井と少年は何かに気付いて力を緩める。

御構いなしに少女と風花は全力で武具を振っている。

「風花!やめて!」

「ま…待って!ヒセ!」

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