8話「龍と戦う吸血鬼」
どうもさきみやびです
今回は早めに投稿できましたね。
よかったよかった
「さて、何故龍は暴れているのだろうかな、龍は基本は龍人族が使役している設定なんだがな。向こうでは。」
AKOの頃は、龍という生物は、龍人族が使役しているという設定で、龍と戦えるのはPVPで龍人族が召喚したときか、大規模なクエストでのボスのどちらかしかない。そのボスも、NPCの龍人族が使役しているという設定だった。この設定が生きているのなら、今回村に出現した龍も恐らく誰かが使役して襲わせる命令を出していることになる。
レイスは村に入っていくと、赤色の図体で、全長が約10mの龍が火を噴いて村を焼き尽くしている光景を目にした。それは無残なことだった。家や畑は燃えてしまい、若干跡形が残っただけで、ほぼ荒れ地になっている。幸い、村の人々は全員避難が出来ているらしい。
その場に落ちていた石を拾いレイスは龍の顔に向かって思いっきり投げた。龍のレベルは使役者にもよるが、使役者-500レベルが限界と決まっている。3000レベルのレイスの石投げは、ただの石なのでダメージこそは入ってないが、意識をこちらに向けることはできた。
「誰じゃ?今儂の顔に向かって何かを投げたやつは。」
体の大きさに見合ったぐらいの大きい声で龍はしゃべった。その声は避難していたシャリエの耳にも少し届いたらしい。
「我だ。龍よ。貴様が我のことを無視するのでな、少し挑発の意を込めて投げたのだよ。」
「ほう。そこの小さきものか。儂の気を引かせる程の投擲をするのだ。お主只者ではないな、名は?」
俺は怖いという思いもあるが、この体で本気で戦えるというワクワクも同時に感じていた。それゆえに、少し挑発気味になっていた。
「名を聞くときはまず自分からだと主人に教わらなかったのか?貴様の主人は躾がなっていないな」
龍はかなりの轟音で叫び吠え、怒り狂った目でレイスをにらんだ。
「儂の主人を愚弄するか。その行為地獄まで後悔するがいい。儂はグレイ・サンフレア。シエナ様の使役龍である。この名を覚えて死ね。」
主人を愚弄されたことにかなりの怒りを覚えたのだろう。死ねといった同時にレイスに向かって凄いスピードで突進してきた。レイスは魔法で隠してあった翼を広げ空へと飛び避けた。
「我はレイス・ミラクレシア。吸血鬼だ。」
レイスは両手に天地双刀を呼び出しグレイへと向かい飛んだ。その途中で、右手を大きくふり衝撃波をグレイへと放った。グレイはその衝撃波をもろにくらったが、あまりダメージを受けているようには見えなかった。レイスは恐らくグレイのレベルは2000はあるだろうと確信した。
「今のをくらっても、びくともせんか。貴様なかなかに強いな。」
空中でレイスはグレイを称賛した。グレイは今の攻撃を見て、少し余裕を持ったのか怒り狂った顔ではなかった。
「儂はあのシエナ様の使役龍だといっておろう。そこらの龍とはわけが違うわ。」
「なるほど、そのシエナとやらは知らんが、ほかの龍とは違うのだな。面白いではないか。」
「何?お主シエナ様を知らぬのか。無知なお前に儂が教えてやろうではないか。」
グレイは語り始めた。
「シエナ様は龍人族の頂点に立たれるお方で、才色兼備、頭脳明晰なうえに3000レベルに到達した5人の1人である。それを聞いてなお、シエナ様の使役龍の儂に挑むか?」
これで確定した。グレイのレベルは2500だ。たしかに龍の中では一番のレベルだが、500も差が開いている。レイスは怖いという気持ちは消え、心はワクワクに支配されていた。AKOでの2500レベルとは散々戦ってきたが、この世界は違う。自然の法則が働いているのだ、AKOでは見れない攻撃などが見れるのではないかと楽しみで仕方なかった。
「尚更挑みたくなったな。時刻もいい感じに夕刻になってきた。本気で挑ませてもらうぞ。」
レイスはさっきのスピードの約3倍のスピードでグレイへと向かった。グレイもその速さには驚いき、少し体の動きを止めてしまった。レイスはその一瞬の停止も見逃すことなく剣が届く間合いまで詰め、交互に20連撃の斬撃を刻み込んだ。AKOでは通常、スキルや魔法を放った後には必ず僅かな硬直がある。PVPではそれが命取りだった。しかし、技の終了と同時に移動のアクションを使いさらにそれを中断し、技を出しキャンセル攻撃をすることで、硬直0で攻撃を繰り返す技があった。レイスの頭にはAKOで培ったキャンセルのタイミングが完全を完全に覚えていた。レイスはすぐさまキャンセルしイービルショットを10発ほどさっき連撃をもろにくらったであろう傷がついたグレイの体の一部分に向けて放った。グレイは苦痛の叫び声をあげ、その場に倒れた。3000レベルの物理攻撃力+伝説級の武器による20連撃の上に、3000レベルの魔法攻撃力+長年強化してきたイービルショットを10発もくらったのだ。2500の龍なんてすぐに倒れてしまう。
「ずいぶんあっけなかったな。」
グレイがズシンという音とともに倒れると全身が光だし消え去った。使役龍は力尽きると召喚主の元へと戻る。巨体が消えると、奥から緋色の髪が腰あたりまで伸びていて、見た目は140cm、龍の角と翼、尻尾のある女の子がこちらへと向かってきた。
「ふむ。お前がシエナだな?」
「そう。私がシエナ。グレイをやったのは貴方?」
透き通るような声でシエナは問いかけてきた。
「あぁそうだが。なぜ龍に村を襲わせた。」
「必要なことだったから。あなたはえたいが知れない。計画の邪魔になりそう。でも、今はまだ期じゃない。ここは引かしてもらって、最善の準備をしてからにする。」
そう言い残すとシエナは翼を使って、空中へと駆け上がり飛び立とうとしたが、動きを止めた。
「忘れていた。私はシエナ・ドラグニル。あなたは」
「レイス・ミラクレシア。吸血鬼だ。」
「そう。覚えた。」
そう言い残すと、かなりの速さで飛び去った。追いつこうと思えばレイスには追いつけるスピードだったが、今回は見逃した。
「なんだ。主人の方はちゃんと挨拶できるんだな。」
レイスは、シャリエや村の人たちが避難しているところへと向かった。
まずは、最後までお読みいただきありがとうございます。
レイスの強さがわかる回だったと思います。
少し難しい要素もあったかもしれませんスミマセン
今回は書くのにかなり疲れたので、種族紹介は休講です。