表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運営に吸血鬼にされてしまった件  作者: さきみやび
2/9

1話「レイス・ミラクレシア」

ドウモ、サキ=ミヤビデス!


1話始まります!!

 風が吹き荒れている。しかも少し肌寒い。どうやら、結構な高度のところにいるようだ。ん?なんで部屋の中にいたのに風が強いんだよ。目を開けるとそこは見たことあるようで見慣れていない塔の最上階にいた。

 「おいおい、どこだよここ...()は家の中にいたはずなんだがなぁ、しかもなんか目線低くないか?」

 響は身長が172cmあるのだが、目線が150cm程の高さしかないことに気づき戸惑って、視線を足元にもっていこうとした瞬間何かに遮られしまった。

 「足元が見えないな...ってなんだよこれは。なぜ()に胸がついてるんだ。いやよく見ればアレもない、体が女性になっている?」

 俺は、体のあちこちを自分で触り、自分の体ではないことに気づいた。少しの間自分の体を探るという意味の分からないことを繰り返していた。

 「この体、もしかして()の自キャラの『レイス』っぽくないか?まさかな、」

 俺がAKOで使っていたキャラクター「レイス」は吸血鬼という種族だ。AKOに8つの種族がある。吸血鬼は大雑把に言えば、日中に弱く、八重歯が鋭く血が吸えるということ。まさかと思った俺はおもむろに自分の口元に手を持っていき、歯を確認した。指に少し痛みがあった。鉛筆の先っちょでつつかれたような感じだ。要するに歯が鋭かった。

 「おいおい。この歯を触ってわかった。『憑依』ってそいうことか運営。まさか自キャラになるとは思わなかったな。ということはここはAKOの世界なのか?」

 あたりをちゃんと見まわすと、そこはゲームの中のダンジョンの一つとそっくりだった。

 「ここは...魂降(たまふり)の塔の最上階か、マジでAKOの中に来ちゃったのか()は。ん、一人称が我になってないか?『俺』ってさっきから言ってたはずなんだがな。」

 自分の中では「俺」といっていたはずなのに、口から出る言葉は我になっていた。

 「もしかして『オートチャット』で我口調に設定していたからか。まぁ変わらないものは仕方ないか。少し変な感じだがまぁよかろう」

 オートチャットとは、ゲーム内でクエストが終わった時に「お疲れ様」など、特定のタイミングで自動でチャットを入れてくれる機能のことで、俺は自キャラが吸血鬼ってのもあって、少しイタいが、口調を我で登録していた。「私」にしとけばよかったな。まさか自分が自キャラになるなんて思わなかったしなぁ。

 「さてと、これからどうしたもんかな。とりあえず今の体になれるために準備運動でもしようか。スキルパレットとかないが魔法とか使えるのかな。」

 俺は屈伸などストレッチをしながら、こういう感じのパターンの小説の内容を思いだしていた。

 「こういうパターンって、魔法を頭に思い浮かべて放てば打てた。っていう感じの小説が多かったよな。空に撃ってみるか。まぁ簡単な「イービルショット」でいいか。えっとたしか、自分の手に闇の力を凝縮させて放つだっけか」

 「イービルショット」とは、吸血鬼が50レベルで覚えることのできる魔法で、闇の力を凝縮して放ち、爆発を起こすというもので、発動に必要なコストのMPが少なく、発動までのタイミングがほぼ無いうえに、魔法を使った後に再度使用するための、リチャージ時間が短いという魔法なんだが、あんまり威力が出ない魔法でもある。しかしレベル3000の俺がうつと、それなりの火力が出て、PVPなんかで結構愛用していた魔法なのだ。ちなみにAKOのレベルは最大が3000という他のゲームではないような位のレベルを作りたいという運営が設定した。レベル50はほかのゲームだと中盤にも思えるがAKOだと初期の町ぐらい。

 イービルショットを頭に思い浮かべて、手に集中すると、禍々しいオーラのようなものが集まった。

 「おお。この状態が闇の力を凝縮か、なんかすごい新鮮だな。それで、これを放てばいいのか。」

 つかんでいるものを投げるような感じで、手を夜の空に向かって振ると、凝縮された闇の力が飛び、上空で轟音とともに爆発した。

 「ゲームの中では感じなかったが、なかなかうるさいものなんだな。」

 そう感心していると、最上階から一つ下の階層へ降りるための階段にびっくりして尻もちをついている、獣人族の女の子がいた。

 「誰だ。汝は。」

 あぁ...他人を呼ぶときの言葉は『汝』にしていたかぁ。いや、ほかにも『君』とか、『お前』とか設定してたっけ。複数設定してたら、言い分けれるのかな。まぁいいかそれよりそこの獣人族だな。

 獣人族の女の子は、おどおどしながら、レイスの質問に答えた。

 「わ、わたしは、シャリエ・レイネイトといいます...」

 おびえた感じの声で自己紹介をしてくれた。別に取って食おうとか言うわけじゃないのに。

 「シャリエといったか。なぜ君はこんな夜中にこんなところに来た。この塔には700レベル帯のエネミーが沸いてたはずだが君は一人で来たのか?」

 あ、言えた『君』って言えた。よかった。設定してて。あとこういうオンラインゲームの世界に飛ぶパターンって、だいたい、強さの水準が下がっていたりしている小説とか多いけど、この世界は大丈夫なのか。

 「クエストの帰りでこの塔からすごい光の柱が見えて、それで気になって見に来ました。それと私のレベルは800なので、あんまり問題はありません。あと、シャリエと呼び捨てにしていただいて構いませんよ。」

 「そうか、驚かせてすまなかったな。それで800レベルといったな。この付近で一番強いレベルのやつって、どのくらいのレベルか教えてもらってもいいか。」

 自分は上限の3000だから、これより上はいないとは思うが一応聞いておいて損はないだろう。

 「レベルですか?えっと、たしかこの近くの王国の騎士団長のトップの人が2700とかだったと思います。どうしてこんなことを?」

 2700か。どうやらこの世界は、水準が低くなってるとかは無いようだ。

 「我は、少し遠くから来たのでな。ただの興味だよ」

 「遠いところですか。ところで、名前を伺ってもいいですか?」

 異世界から来たわけだし、遠いところだよな。

 「我か?我は、レイス・ミラクレシア。種族は吸血鬼だ。」


こんな感じで1話は閉めさせてもらおうと思います。

種族について説明しておきましょうか

8つあって

人族・獣人族・エルフ族・龍人族・天人族・魔人族・吸血鬼族・機人種の8つです。

ちなみに獣人族はそこからさらに、豹族・狼族・他種族のわかれます。

ちなみに、シャリエちゃんは豹族です。


ではまた次回に

次回投稿日は未定ですが。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ