第9話 狼観察!起床は地面衝突で!
フェンリルのモフモフ尻尾を布団に就寝した俺は、あの後、途中、毛玉やら草やらが気になって、起き、手櫛をしたりして絡まりなどを採っていた…そのとき、何度か尻尾殴打を受けていたのだが、いつのまにか寝て無事生還し乗り切っていた。
のだが…寝ていた俺は、ぶっとばされて目を覚ました…
『ぐふっ…いった…あっ!?』
どーんと石台から転げ落ちた。
脇腹と打った背中が非常に痛い…
何ごとかと上を眺めると…上から顔が怖い…睨み付ける白いモフモフ生物がいた。
その睨み付ける青い目と俺の目が合い続け、ドキッとして身体が硬直する。
『見えてる!?』
が見えていなかったようで辺りをキョロキョロし出した、そのあと頭を傾げ、頭を引っ込めた。
おそらく石台の上に戻ったのだろう…
俺は、状況整理するため、靴を鳴らし、空中にふわふわ浮かびながら上昇する。
上昇して白銀巨狼が何をしているか上から眺めた…
すると…欠伸や背伸びをしている姿が目に入った。
なるほどな…尻尾の辺りで寝てたから…
背伸びした時に後ろ脚が当たる位置にいたのか…
そんな俺の存在、あいつが知るはずもないから…
勢い良く脇腹を蹴られ吹き飛び、岩台から落下…
マントの効果で、見えも気配も声もしないが、存在がない訳ではないから、脚に何か当たった感覚があったのだろう…それで何か落ちたのかと、あいつが覗きこんだときに、バッチリのタイミングで目が合った…が見えないから頭を傾げ…ってとこか?
『あー…いってー…HP今いくらだ?』
【ステータス】
HP500/950
うわー450も持ってかれたか…やば…
みぞおち入ってるからクリティカルだなこれ…
内臓破裂とかしてるレベルだろ…
こんなこと言ってる間に徐々に痛みひいていく、この辺りが、異世界って感じがするな…
まあ、尻尾の下敷きになってたときにもう何度か経験したが、自動回復様々だな。
などと思いながらあの狼を観察していた。
『モッフモフだな…お?尻尾を頭傾げながら観てるな?』
気づいたかあの凄い毛玉と草の絡まりがないことに、あれは凄い絡んでいたから苦労した…
草をストレージバッグで触れさえすれば、収納出来てすぐ取り除けたが、毛玉を手櫛だけで何とかするのは非常に大変だったな…
そうだ…あの草不思議な形の草とか葉っぱがあったな…鑑定眼で観てみ…
『ワァウォォォォン!』
と観てみようとしたとき、遠吠えがあり、びくっとした。
白銀巨狼の声で起きる…湖のほとりにいる狼たち背伸びやら欠伸やらしながら次々起き出した。
起きたのを確認するとその狼達のいる…ちょうど焚き火のある辺りに、白銀巨狼は石台から勢いよく跳び華麗に着地をしていた…なんて跳躍力なんだ。
それを様子を観て、石台に向け高度を下げて、魔力消費がない位置までいく。
狼達の様子を見る、白銀巨狼は焚き火の匂い嗅ぎ頭
を傾げ、他の狼はワンワン吠えている。
すると、皆座り、少し大きな狼達だけが立ち吠えるだけになった。
言い合っている様に見えるがどうなんだろう?
俺には狼語なんて分からない。
途中から白銀巨狼は、焚き火跡がテリトリー内にあると、やはり気になるのか石を動かしたりといじっていた。
すると他の狼達が一斉に白銀巨狼をみた、びくっとなったように見えるのは気のせいだろうか?
その後狼達は森へと移動を開始した。
少し遅れて白銀巨狼は…モフモフの尻尾をご機嫌にブンブン振りながら森へと消えていった。
何かいいことがあったのかね?
狼語とかはわからないが、明らかに白銀巨狼の機嫌が良いことは俺にもわかった。
そんな朝のハードなイベントで始まり、俺の異世界生活2日目がスタートするのであった。