第6話 耳栓をください!怪奇ファフロツキーズ現象!
「ヴオォォォーーーーン!!」
という低い遠吠えがマップの赤い点が近づく、どんどん大きく聞こえてくる。
騒音だ、まるで飛行機の真下にいるようだ…
両手で耳を抑える。
耳がー!耳がー!…ミミガー(笑)
「ヴオォォォーーーーン!!!」
あーうるさっ!幻獣ハンターのスキルの耳栓欲しい…
これ遠吠えじゃねーもう咆哮だろう!焚き火の火も消えるほどだぞ!ひるみ状態なるわ!…
これ!バッドステータスじゃないのか?
まさか呪い効果のせいで無効じゃないとか?
状態異常を確認しようとステータスを出しみた。
'【ステータス】 "
状態異常はありません。
あの程度は、バッドステータスにはなりませんよ頑張って耐えてください(笑)
おどいた、これだけ耳がキーンと痛くなるのに、状態異常ではないということ、と!、静かだった称号野郎がちゃっかりウィンドウに参入してきたことに。
あーまじかーこの程度でってことは…まさか…この咆哮のような遠吠えを超えるものがもっとあるのか…少しいやになるな…
いや?待てよ、CCさえ出来れば幻獣ハンターのキャラにだってなれるはずだから…あの騒音にも余裕で耐えられるに違いない!
あーあ、この呪い早く解けないかな?…レベルアップがとか書いてあったが、案外ワンチャンで教会で呪いとくとか出来たり…
そんなことを、焚き火が消え、月明かりだけの明かりとなり輝きの増した、湖の中心へ浮遊移動しながら、この咆哮の中考えていた。
すると咆哮のほかに違う音が混ざり始めたガサボキ、ガサパキ、ガサ…
なんの音かと、音のする方をみたら、咆哮のする方面の木の音のようだ…木も揺れている。
いよいよその咆哮と木を鳴らしていた主の正体が…
そこに現れたのはなんと!周りより少し大きな狼が4匹!
なーんだ…
対して変わらない狼じゃないか、うるさかっただけかなどと少し残念な様な気がしたが、これの見た目なら多分マントも通用するしやり過ごせるだろうと安心していた。のだが、その時あることを忘れていた俺は、重大な間違いをしていたのだ。すぐマップ確認すればわかったことなのに…
「ヴオォォォーーーーン!!」
空が曇ったのか月陰り周りが薄暗くなった。
またこの咆哮…周りより大きい狼4匹で吠えてるのか、と4匹を見たが…口は閉じいて森の方見ているだけであった。
「吠えてない?あいつらじゃない!?」
それに気づいて慌ててマップを起動し確認する。
大きな赤い点が焚き火方面の森、1mも無い距離にあるのだが、いくら森の木の間にいようとここまで木の葉を鳴らし近づいてきた、大きな声の主だし、大きな個体のはずだろうし、
見えないはずがない、はず、なのだが姿が見えない…
曇っていたのが晴れたのか、月が明るさを取り戻したこれでよく見えると思ったら…
ドスン…
焚き火後付近に、上から何か黒い物体が落ちてきた。
びっくりしたが、何が落ちて来たのか木になり、落ちて来た黒い物体を見やると、狼達がその黒いでかい物体に群がり食べ始めた、辺りは血とケモノくさい臭いがした…
『うっわ…鉄臭い、ケモノ臭い…』
思わず辺りに漂う血生臭さに声に出してしまいその空気を吸ってしまう…
『うぇ…ゲッホ、ごほっ、ゴッホ(笑)』
どうやら今食べられている黒い物体は、おそらく熊っぽい見た目の魔獣であることがわかった。全長は遠目でみても、4mはあるだろうかという巨体である。
目の前のそんな光景をよそに、冷静に熊を観察し確認できるあたり、精神も少し強くなっているのかもしれない。前の自分ならひいたりしていただろうし、嫌悪感やらで目を離す場面だっただろうそんな事を少し思ったが今は。
『あんな熊なんで降ってきた?』
その最大の疑問のせいで臭いもそういった、認識もなくなった。
落ちて来たんだし…上に何かいるのか?
そう思い上をみたが何もない。
上にあるのは一面に、輝く星と大きな月があるだけ!輝く星と大きな月があるだけ!の前の世界では、ありえないほどの綺麗な夜空である。
『そういや…結局大きな赤い点ってこの熊だったのか?』
そう呟き、マップを再び起動し見てみた。
マップには大きな赤い点が確かに森から違う場所に、表示はされていた。
だが、あったが、位置が熊の位置とは別の位置に表示されていた。
『ち…が…う?』
その場所は、主人公が今狼達を見ていたときの右側…つまり北、湖にある3つの巨大な石が重なったって台のようになっている位置であった。
『いつの間に移動してたたんだ、変わった音だって熊が降ってきたとき以降しなかった…』
そう呟き、恐る恐る右を主人公はみようとしたとき…ピロリン♪とウィンドウが鳴った。
【称号獲得:ファフロツキーズ現象の遭遇者(笑)】
『うわっぷぅー!!?』
狼が来てから余り聞いていなかったときに聞いたこともあり、
俺は、油断していたのだ…思わずその音に、右向こうとしていた顔を戻し、ビクゥ!と全身に鳥肌がたち震え上がり、変な声が出てしまった。
『ふざけんなー!?心臓止まるかと思ったわ!!』
この時、主人公にそんなドッキリを仕掛けていた当の本人は、黒い空間でギャはははと声をだし、お腹を抱えて右に左に、ゴロゴロと笑い転げていた。