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溺れるオンナ
私が普段見ているものたち。
悩み踠き苦しみ続ける愛しい人たち。
彼らは皆自分とは何かを探し続けているらしい。
私もまたその中の一人であり、また、それを放棄した人間でもある。私は見ているのが好き。つまりそれは逃げ。
時間は流れ私も年齢を一つまた一つと重ねていく。それが、とても苦痛だ。
そしてまた眠るのだ。
私を思考の外へ連れて行ってくれる夢の中で私は安心していられる。
もしくは、彼らだ。
私が愛して止まない思考し続け答えを探し求めているものたち。
『 次はいつ会える? 』
『 今度の日曜日なら少し時間取れそうだよ。少し飲んでからホテル行く? 』
『 そうする。 』
私の身体を愛するものたち。
『 じゃあそうしましょう。楽しみにしてます。 』
スマホの電源を切る。
「 ねえ、誰と連絡してんの? 」
肩にまわされる細くて硬い腕の感触。
私は魅入られていた。彼らのもたらす快感に、会社やバイト先や学校の人たちに見せる顔とは違う顔に、孤独を匂わす横顔に。
「 誰、だろうね 」