手紙。
一週間って結構長いんですね(ヽ´ω`)トホホ・・
俺は目を見開いたまま、その暗号のような汚い文字を読み上げる。
「……いく……あと……あなた……いちがつ……また……?」
ん? どういうことだ?
そこには、見よう見まねで書いたような平仮名が箇条書きのようにかいてあった。
いく
あと
あなた
いちがつ
また
俺の読み方があっていればこれでいいはずだ。
どういうことだぁ?
俺は紙をひっくり返して裏も見てみるが、そこにはなにも書かれてていなかった。
もう一度表にして、紙を眺める。
……ん?
紙の右端に何か書いてあることに気づいた。
顔を近づけ、よく見てみると、そこには文字のようなものと、小さなマークが刻まれていた。
あれぇ、このマークぅ、どこかで見たことあるぞぉぉぉ。
俺の背中にツーっと脂汗が流れる。
そこには、見覚えのある真っ黒な槍が描かれていた。
「……」
差出人はこれで大体検討がついた。
これで窓が開けっ放しなのにも納得がいく。
では、やつは一体何を伝えようとしているのだろうか?
もう一度手紙を読んだ。
いく、あと、あなた、いちがつ、また。
う~ん。まだ日本語がわかっていないのだろう。語順がおかしいし、書き順もめちゃくちゃだ。
「……」
全くわからん。
俺は考えるのをやめた。
わからないものはわからない。
華凛が帰ってきたら、解かせよう。
そう思い、手紙を机の上にポンとおいて、放ったらかしだったカバンに手をつけた。
カバン――学校指定の、ボストンバッグ形状のものだ。――のファスナーに手をかけ、左右に引っ張る。
中には、教材、筆箱、弁当、そしてラノベが一冊入っている。
俺はその中の弁当を引っ張り出して、立ち上がる。
それからリビングへ向かった。
一階の廊下まで来て、リビングに通じるドアを開ける。
リビングには夕陽の赤い光が射し込んでいた。
薄暗かったので明かりを付け、キッチンへ向かう。
キッチンで持っていた弁当箱を開け、その弁当箱を水に浸す。
それからソファーに腰掛け、テレビをつける。
チャンネルを何回か変えてみるが、やっぱりこの時間帯はニュースしかやってないな。
俺はそのままニュースをぼーっと見ていた。
……どれもつまらないものばかりだった。
殺人事件、結婚報道、トラック事故、北朝鮮のミサイル問題……
俺はテレビを消して、部屋へ戻ろうとする。
……ガチャ
俺がソファーから立ち上がるのと同時に玄関の開く音がした。
「ただいまぁ」
華凛が帰ってきたようだ。
「あぁ、ただいま」
と俺が言うと、うん、とだけ言って、自分の部屋へ行ってしまった。
あ、今気づいたけど俺ただいまって言ってたは。
まぁそれはいいとして、疲れているようなので――手紙の件が脳裏によぎったが――そっとしておいてあげよう。
……………………
それから一ヶ月と五日後のことだった。
この物語が本格的に動き出したのは。
気合入れていきましょう!!!
(自分へ)