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壁の中から  作者: tom
8/10

突然の別れ

あらすじ

団地のよしみの成人したばかりの山田五月と如月優人、偶然同じ時期に会社を辞め、二人で『廃墟探索』という不可思議な会社に就職するも、担当つかずの同期の女性(あやちゃんこと秋田小町)と三人で初仕事へ出かける。

しかし、昼食を終えた優人は煙草を吸いに行ってからなかなか戻ってこない。

気になって五月と小町は共に優人の居る喫煙室へ向かったがー


『優人っ!!』

喫煙室は透明なガラスで覆われていた。


中に居る人影に俺は叫んだ。


俺の後ろに居た秋田さんが悲鳴をあげる。



ガラスに飛び散っている血のような液体が、今起きていることが尋常でないことを物語っていた。


扉を開けて優人に駆け寄ると目眩がして同時に吐き気がした。


直視することができない。


『救急車!!』


やっと出て来た言葉は秋田さんに‥‥。






一体なにがどうなっているんだ。


俺は意識がもうろうとしていた。

救急車の音と共に、病院の待合室に座り続け何時間かかっただろう。



遠くで会社の先輩と誰かが話している声が聴こえた。


秋田さんは俺の知る秋田さんとはまるで別人のように黙り込んで震えていた。



俺は『大丈夫ですか?』と力なく問う。



すると秋田さんは言った


『救急車と警察同時に呼んだの。そしたら、らぎらぎ‥‥優ちゃんのっ』


秋田さんは苦しげに息を飲み込み、さらに続けた。


『優ちゃんの胸に弾丸があって、胸だけじゃない‥‥何発も‥‥だから血まみれでそれで、私達が発見した時にはもう‥‥』


秋田さんはぽろぽろと涙をこぼした。


山田五月はその話の続きを聞きたくなかった。聞いていたくなかった。


だから一人で、その場を去った。




殺人事件として警察は動き出した。

事情聴取も受けた。


でも、心にぽかんと穴が空いているみたいでうわの空だった。

優人の黒縁眼鏡の奥に光る瞳がパッと浮かんだ。


もう二度と見る事ができない。


一緒に酒を飲んで酔っぱらう事も、昔の思い出話をすることも。





もうない。‥‥できない。

めちゃくちゃ鬱展開です。

私自身、鬱なのでどうも明るい話を書くのが苦手です。読んで下さった方、ありがとうございます!

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