Episode.0 〔理不尽な入学〕
暮葉です。
『黒猫はダンジョンをさまよう』の執筆をしているんですが、上手く書けないため一時凍結とさせていただきます。
すいません。
ってことで新シリーズです!
ちまちま更新するんで読んで下さい!
後、題名の読み方は『夕星』と書いて『ゆうずつ』って読むんですよ。
大体の人は受験と言うものをやったことがあるだろう。
かくいう俺も受験をした。
いや、正しく言うなれば【している】になるんだが。
そこで皆に聞きたい。
中学で必死こいて勉強して、面接の練習して、全力出して本番に挑んで、結果を待つ期間っていうのは緊張して、結果を知って一喜一憂するのが高校受験ってもんだよな?
俺は今、結果を待っているところなんだ。
つまり、緊張している期間なんだよ。
しかも、結果発表が今日でさ。
もうどっきどきしててさ、ヤバイんだよね。
っともう時間だ。
結果が張り出されたから見て来ますか!
(3710番......ぁ、あった、え、ちょ、マジ!見間違いじゃないよな!よっっしゃあああぁぁぁぁ!!)
やっべぇ、めっちゃニヤニヤしてるわ、俺。
舞い上がり過ぎた。
じゃあ、昼飯買ってから帰るか。
コンビニにでも寄って行くか。
トントン...
ん?なんだ?
何か肩叩かれたんだけど。
振り向くと、そこには綺麗な女性が立っていた。
スーツ姿がよく似合っており、きっちりとした印象を受けた。
年は20代位だろうか?
「すいません。少しお時間いいでしょうか?」
「え?あ、はい。大丈夫ですが......」
何だろう?セールスかな?
「こちら、名刺です」
「名古屋星心学園......教員......兎...山......李鈴さんですか......」
って、名古屋星心学園!?
何でそんな人が俺に!?
「場所を移しませんか?」
兎山さんはそう言うと近くの喫茶店に入っていく。
しょうがないので俺も行くか。
「それで、俺なんかに何の用ですか?」
「そんなに身構えないで下さい。」
いや、普通身構えるだろ。
だってあの名古屋星心学園だぞ。
「用件と言うのは、貴方の我が校への入学が決まったことの報告です」
...は?
何言ってんのこの人?
「な、何言ってるんですか?俺はついさっき希望校の受験受かったところなんですよ?行くわけないでしょ!それに名古屋星心学園って適性が必要なんですよね!俺はそんなもの無いですよ!」
この人頭おかしいだろ!
何が入学が決定しただよ!
俺は必死こいて受験受かったんだぞ!
「確かに貴方の言い分もわかります。ですが、私は上から報告しに行けと言われて来ただけなので私に言われても困ります」
「はぁ!?じ、じゃあ俺が何で受けてもない高校から入学報告が来たのかぐらい教えて下さいよ!」
「それはですね、本来入学してくる新入生の数は決まっています。今年もその人数分の合格者が出たんですが、一人だけどうしても入学出来なくなってしまって一枠空いてしまったんです。普通ならば落ちた受験生から選ぶんですが、上の方が『何かそれじゃあつまんなくね?もっと面白く選ぼうぜ!』と言って適当に抽選感覚で選んだ結果貴方に決まった訳です」
もう、ただのバカじゃん!
何が面白く選ぶだよ!
「で、でも俺は他の高校に入学が決まってるんだ!そっちには入れないでしょ!」
「その件でしたら、ついさっき我が校から連絡を入れまして入学を取り消して貰いましたのでご安心を」
................................え?
今この人なんつった?
取り消し?
えっ?冗談でしょ?
「あ、あの嘘ですよね?取り消したって嘘ですよね?」
そんな焦ってる俺を見て兎山さんはいたって真面目な顔で、
「いいえ、嘘では御座いません」
と、きっぱりと答えた。
「ちょっ、どうしてくれるんですか!俺の将来がかかってるんすよ!」
「ですから、我が校に入学をしていただくんですよ。それでも入学を断りますか?」
こんなの殆ど脅しだろ...!
「くぅ...わかりました!入学しますよ!」
「よかったです。では、詳細はまた後日連絡します」
「わかりました。じゃあ今日はこれで」
これが俺の受験の結果だ。
必死こいたのに、どきどきしたのに、全く違う高校に入学と言う意味不明な結果。
何だコレ?
こうして俺、城鐘夕紅は名古屋星心学園に入学することになったのだ。