プロローグ
───それは突然現れた。
まるでラピュタのように空に浮くその島は、北海道ほどの大きさがある。
太平洋のど真ん中に、まるで初めからあったかのように浮いている。
その島と同時に地上には巨大な化け物が現れた。
3mあるものや、10mあるものまで様々だ。
四足歩行だったり、足が5本あったり、生き物と言えないほどに気色の悪いものもいる。
およそ10年前、人々はなすすべのない強大な敵に逃げ惑った。軍隊が手も足も出ず、その数で圧倒された。
化け物は一体でも桁外れた戦闘力をもち、最早人間には何もできなかった。
ついに核を落とし、ほんの一部の化け物を消滅させることには成功したが、人間の住める場所を狭めるだけでしかなかった。
それから3年がたった頃、人々は体能力が格段に上がっていた。ある日を境に、人の身体能力は人とは呼べないほどになっていた。
5年がたつ頃には「能力」と呼ばれる、異能の力が個人差はあるものの、様々な人々に発現し、化け物の足止め程度だが戦えるようになっていた。
そうして、化け物の目撃も減って地下住居の開拓を急ピッチで進め、世界中に数個の地下住居ができた頃、時間は現在に戻る。
ここは極東地下住居。
もともと日本があった場所で、広大な土地のある北海道に掘られた地下住居である。
「おい、おまえ今ぶつかったよな?」
16~7歳くらいの、ガラの悪い男二人組がひとりの男にいちゃもんをつけている最中である。
「あ?いや、お前からぶつかってきたろうが。てか息くせーんだよ。歯みがいてんのか?ぁ?」
1体2であることに臆する様子もなく、男も突っかかる。
「っ!てめぇ!」
「なんだよ?事実を言ってなにか問題あんのか?」
すでに一触即発である。
「てめぇ、後悔してもおせぇからな....!」
すると今まで黙っていた二人組の一人が
「俺達は能力持ちだぜ。こいつは速さを見る能力、俺は硬さをみる能力だ....!」
「ははーん。能力持ちねー。それで弱い者いじめしてんのか。かー、愉快なもんだな」
見る能力。それはこの時代における異能の力である。見る能力と言われるが、正確には見ているのではなく、感じている。しかし、境地に至ると全く違う世界が見えるという迷信から「見る能力」と呼ばれているのだ。
速さを見る能力を持った男がポケットから手のひらほどの小石を取り出す。
「お前にこの速さが見えるかな?」
そういって小石を放る。するとてから離れた瞬間
───小石が消える。
正確には消えたのではなく、目に見えない早さで動いたのだ。
それは軽口を叩いた男に向けて投げられ、当たった。
かのように思われたが
「んなっ!あいつ、消えやがった!!!」
男さっきでいたはずの場所におらず、目の前から消えていた。
「アホっ。後ろだ」
消えたはずの男は突然速さを見る能力を持った男の真後ろにいた。
「っ!?」
───ゴンっ
と、鈍い音と共に目に入るのは、速さを見る能力を持った男が倒れている光景。
「てめぇ!なにしやがった!!」
「なにって、そりゃ殴っただけさ」
飄々と喋る男に硬さを見る能力を持った男が警戒する。
が、気付くとすでに男は後ろにいた。
「残像だ!....ってな」
───ゴンっ
とまたも鈍い音がした。しかし
「はっ。硬さを見る能力を持つ俺に打撃は効かねぇぜ」
「おっと。こいつは驚いた。なら本気で殴らねぇとな」
「へっ!?」
その声は置き去りにされた。ヒュっと風切り音がなったかと思うと、パンっと弾ける音と共に硬さを見る能力を持つ男が吹っ飛んだ。そして
「なんだこいつ....デタラメだ」
そういって意識を手放した。
「はぁ、近道しようと思って小道に入ったのが失敗かね....こりゃ遅刻しそうだな」
ここは地下住居。決して美しくはない建物に囲まれた、空のない街。能力を高め、地上の化け物を駆逐する為に教育する場である反面、能力を使い非道な行いをする者達が居る。
「さぁ、今年は楽しい年になるかな?」
正と負の入り混じるこの街で、今。物語が始まる
えーと、二次創作の意味が良くわからなくてググッたらなんかほか作品を引用する的なことで焦りました。
さっき投稿したものは消しますが、消せなかったらこっちが本物です。
この作品は異能の力というものがありますが、それをドンパチつかって、強い敵を倒してまた強い敵!!みたいなバトル馬鹿展開にはならないのでご了承下さい。
更新は二日に一回ペースくらいです。
速くて一日一回です。
この機能というか、使い方がよくわからないままに書きましたので、なにかアドバイスや不備がございましたら、ご指摘ください。