表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fairy and Flower  作者: 美雨
7/11

7


次の日も次の日もそのまた次の日もリリィは木の根元で二人を待ち続けていました。


冬になりました。

枯葉は少しずつ散り、風が冷たく吹く中、二人の子供はゆっくりと森へ向かっています。


森は驚くほどがらりとしていました。

花は枯れ、木の実は無くなり、落ち葉が辺り一面に敷き詰められています。



「…………リリィ?」



男の子は小さな声で大きな木に呼び掛けました。



「久しぶりね。リーフ。ララ……元気にしていたかしら?」



リーフとララの頭上から弱々しく綺麗なリリィの声が聞こえてきます。



「ひさしぶり。リリィ。ぼくはげんきだよ」



「こんにちは。リリィさん。どこにいるの?」



「……ここよ。もう二人には見えていないのね」



ザァと風が音を立てて強くうなり声をあげました。

木に残っていた葉は次々と飛ばされ、やがて木には一つも葉が無くなりました。

リリィは静かに言います。


「ごめんなさい。ララ。あなたと遊んであげられなくて。でも私、ずっとこの木で待っていたのよ。その間にもたくさんの命が消えてしまったわ」



「ごめんね。リリィ。あのね、ぼくのママはしんじゃったんだ。ママがずっとねていたのはぼくがうまれたから、からだがよわくなっちゃったの。パパがそういってた。ぼくね、ずっとかんがえていたんだ。ママはぼくがうまれたからしんじゃったのかなって。ママはきっとぼくのことをきらいだったんだよ。ママのそばにいても『お外で遊んでらっしゃい』ってママはぜんぜんぼくとおはなしをしてくれないから、ぼくのせいでねていないといけなくなっちゃったから、ぼくを……ぼくをみるのがいやだったの。ママはぼくのせいでしんじゃったからゆるしてくれないのかな?パパもぼくのこときらいなのかな」



リーフはとうとう泣き出してしまいました。ララは心配そうにしています。



「リーフ。それは違うわ」



リリィは優しく話し掛けました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ