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「ねぇ、リリィ。そんなにひまならぼくとあそぼうよ!」
「あら。嬉しい。何して遊ぶのかしら?」
「きのみとり!ぼくとリリィ。どっちがいちばんおおくとれるかなぁ?」
こうしてリーフという小さな人間に懐かれた妖精、リリィ。
毎日のように遊びに来るリーフを少しだけ信頼しました。
しかし、リリィの心には大きな傷と小さな憎しみがあります。
決して消えることのない傷跡と少しずつ広がる憎しみが。
秋の終わりが近づく頃、リーフが遊びにこない日が何日も続きました。
冷たい風が吹く中でリリィは退屈そうに木の枝に座り、足を揺らしています。
「これだから人間は信用出来ないのよ……暖炉の牧と言って残り少ない命を次々と奪って、そろそろこの森は終わりかしら。魔女も動物もみんなみんな、命を捨てて行ってしまったわ。木を花を……自然を何だと思っているのかしら」
リリィの憎しみは人間だけではなく森を出て行った魔女や動物にも向けられました。