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ゾンビが溢れかえった世界でのんびりスローライフに挑戦してみた  作者: アルシャピン


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第1章 死者の処理が“義務”になった日

人が死んだら、皆どうする?

普通は通夜や葬式をして、故人を想い、そのあと焼き場で遺体は焼かれて、魂は天国へ。

まあ、お国柄や宗教の違いはあれど、だいたいそんな感じだろう。


――だけど一年前から、世界の常識は変わった。

一年前から、人が死んだらまず頭を潰して、そして死んだその場でオイルをかけて燃やさなくてはならない。

燃やすという点では同じだが、過程が違いすぎる。

なんでそんな面倒くさくて、しかもエグいことになったのかって?

理由は単純だ。

人は死んで、暫くすると甦る。

そして、人の肉を食らう化け物に変わってしまうようになった。

しかも、そいつらに喰われたり、傷つけられたりした人間も――時間差で同じ化け物になる。

感染なのか、呪いなのか、神様の悪戯なのか。

そんなのは知らない。誰も知らない。


色んな国の色んな機関が原因を突き止めようと躍起になった。

研究所だの軍だの、専門家だの、偉い人だの。

最初はテレビでそれっぽいことを言っていた。

「未知のウイルスの可能性」

「神経系に影響する――」

「隔離が必要――」

「落ち着いて行動を――」

落ち着いて行動してる間に、世界は燃えた。

アウトブレイクは広がり、そして広がり続けた。

結果、今じゃ人間を探す方が難しい。


最初はね、皆ちゃんとやってたんだ。

救急車が来て、警察が来て、誰かが泣いて、誰かが祈って。

でも、それが通用するのは最初だけだ。

死者が出る。

葬式の準備をする。

その間に甦る。

泣いて抱きしめた人間から喰われる。

次の死者が出る。

また甦る。

喰われる。

これが、雪だるま式に増える。

だから、人は学んだ。

というか、学ばされた。

死者は“故人”じゃない。

死者は“爆弾”だ。

爆弾は処理するしかない。

頭を潰す。燃やす。

それが義務になった。

義務というより、やらないと自分が死ぬ。


――そして俺は、まだ生きている。

田中太朗、28歳。

職業? 一年前までなら会社員だった。

今は“生存者”だ。

職業欄があるならそう書く。

俺は今日も生きる。

それだけが、俺の仕事だ。

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