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沙羅の気持ちは

「まず、私は会長や周りの人達に、変な事を言われたりしていないって事だけは信じて欲しい」

「……はい」

「良かった。あの日、私は会長にある事を聞くために生徒会室の前まで行っていたの」

「ある事……ですか?」

「うん、私の噂をなんで流したのかって聞くためにね……」

「えっ……もしかして……」

「そう、フィリスの想像通り、私の噂を流したのは生徒会長だった。まぁ、彼女は直接何かした訳じゃなくて……ミホ……あの、ポニーテールの子が噂を流していたんだけどね」

私がははっ、と笑うとフィリスは今にも泣きそうな顔で、私の事を見つめてきた。私のせいで………そう言いたそうなフィリスの頬をそっと撫でて私は言った。フィリスのせいじゃないから、だからそんな顔しないで、と。

「でも……私が沙羅と関わらなければこんな事には………」

「ううん、そんな事ないよ。きっと、あの人は私が誰と一緒にいたとしても同じ行動を取ったと思う、だからそんな悲しい事言わないで?私はフィリスが好きなの、大切なお友達だから……」

「沙羅………ありがとう、続きを聞かせてくれるかしら?」

「うん、えっとね……」

私は続きを話し始めた、正直この話をフィリスにするかは迷っていた。

けれど、もう話さない訳にはいかないだろう。

私は、フィリスの顔をじっと見つめて、ふぅ、と深呼吸をしてから話し始めた。

「会長から昔の事を色々と聞いたの……」

「昔の事……ですか……」

「うん、会長はフィリスの事を恨んでいるって……」

「本当に聞いたのですね、そうです……あの子は私の事を恨んでいる、そして私もあの子の事を……」

「やっぱりそんなのダメだよ!!私が口を出すようなことじゃないって言うのは分かってるよ?でも……でも……お互いが恨んで憎みあって……やっぱりそんなのおかしいよ!!」

私は思わず大きな声を出してしまい、ハッとなってフィリスを見た。

フィリスは困った様な笑顔を浮かべ、そして、ごめんなさい、と呟いた。

私は何も言えなかった。フィリスが謝る事ではないのに。

「………ねぇ、二人はちゃんと話をしたことがあるの?」

「えっ?いや…………」

「二人は仲良くすることを望まないかもしれないけどさ……でも、ちゃんと話し合った方がいい……絶対に、話すことで何か分かるかもしれない、話してみても何も変わらないのなら……私はもう何も言わない、だからお願い……」

私はそれだけ言うと、フィリスをぎゅっと抱きしめた。

どうか、二人が仲直りできますように、そう願いながら……。

それに、私には少し引っ掛かる所がある……

もしかしたら、この二人が仲違いした裏には誰かがいるんじゃないか? そんな予感がしていた。

「頑張ってみますが……ダメでも許して下さいね?」

「うん、ありがとう」

そう言って、私たちは笑いあった。

大丈夫、二人ならきっと仲直りできる……

そして私は……二人が話し合う前に色々と調べないとね。

きっと、噂を流した人と二人に嘘を吹き込んだ人……どっちもいるはずだと

私は思っている。

「フィリス色々と迷惑をかけてごめんね……」

「いいえ、私も沙羅に沢山迷惑を掛けましたから、こんな私ですがこれからも仲良くしていただけますか……?」

「うん!もちろんだよ!これからもよろしくね、フィリス」

「はい、よろしくお願いします、沙羅」

こうして、私達はまたいつも通りの関係に戻った。

待っててフィリス……私が絶対に犯人を見つけてあげるから。

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