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フィリスとユーリの関係

「こんにちは、高木沙羅さん。生徒会室に何か御用ですか?」

「あ……えっと……」

そう聞かれたけれど、私はなんと答えればいいか迷っていた。

確かに、会長に話しをしようと思ってここに来たけれど、今はフィリスの様子が気になる。

「あの子、貴女に随分と懐いているみたいけれど……何かされていない?大丈夫?」

「なんでそんな事を聞くんですか?」

「貴女は大切な聖女様ですから、あの子が何か何かしていないか心配なのです」

「ご心配なく。私とフィリスは会長が思っているような仲では無いので。それより、私会長に聞きたいことがあったのですが、いいですか?」

「あら、私にこたえられる事なら何でも」

そう言って、会長は微笑んだ。

私は、そんな会長を見て本当にこの人が、フィリスの事を拒絶し

私の噂を流した張本人なのか、信じられなかった。

でも、ここで引き下がるわけにはいかない。

私は、意を決して口を開いた。

「会長が私の噂を流した、とミホさんから聞きましたが、本当ですか?」

私がそう言うと、会長の顔つきが変わった。

先程までの優しい表情とは違い、冷たく鋭い目付きになった。

そして、暫く黙り込んだ後、ようやく会長が口を開く。

「あの子喋ってしまったのね……はぁ……やっぱり、庶民の子はこれだから嫌だわ……」

そう言って、会長は私から目を逸らし、窓の外を見た。

その姿はまるで、自分に言い聞かせているようにも見えた。

けれど、すぐに会長はこちらを向いて、今度は冷たい笑みを浮かべる。

私は、その変わり様にゾクッとした。

「そうよ、私があの子に命令して広めてもらったの、どう?楽しめた?」

「ふざけないでください……!!私がどんな気持ちだったか……!!」

私は、思わず感情的になって、声を荒げてしまった。

そんな私とは対照的に、会長は落ち着いた様子で話を続ける。

その態度に、私は更に苛立った。

「なんであんな噂を広めたのですか……?」

「私より目立つ生徒がいるのが許せなかったから、かしら?」

会長はクスクスと笑いながらそう答えた。

私は、そんな会長を睨む。

けれど、会長は全く動じていないようで、相変わらず余裕そうな表情をしていた。

「もう一つ聞いてもいいですか?」

「えぇ、なんでしょうか?」

「会長はフィリスと幼馴染なんですよね?どうしてフィリスに対してあんな事をしたのですか」

「あら、昔の事あの子に聞いたのね……そうよ、私とあの子は幼馴染だった。小さい頃からずっと一緒にいたの。でもね、あの子は私との約束を破ったの……」

そう話す会長の目は、悲しげな色を帯びていた。

けれど次の瞬間、また会長の目の色が変わる。

それは、怒りに満ちた目で、その視線は真っ直ぐに私を見ていた。

「だから私はあの子の事を恨んでいるの、私を裏切ったあの子を……!」

会長は、両手を握りしめ、そう呟いた。

どうやら、二人の間にはとても深い溝があるようだ。

とても私には入り込めないくらい……

「今日はこの辺りにしておきましょうか、また遊びましょうね沙羅さん」

そう言って、会長は生徒会室へと戻って行った。

一人残された私は、複雑な思いのまま帰ることにした。

帰る途中、フィリスに連絡を取ってみるけれど返事は無かった。

「やっぱり嫌われちゃったのかな……」

私は、落ち込みながらも家路についた。

翌日、私はフィリスに会いに教室まで行ってみたけれど、休み時間になると何処かに消えてしまう為、会うことが出来なかった。

昼休憩になり、食堂で昼食を取っていると、そこにフィリスがやって来た。

「少しお話があります、今大丈夫でしょうか」

「えっ……う、うん!!もちろんだよ!」

私は突然の事に驚いて、慌てて返事をした。

フィリスは私の返事を聞くと、ホッした様な表情をして

私に付いて来てくださいと言った。

私は、言われるがまま、フィリスの後について行く。

連れてこられた場所は、いつも昼食を食べている裏庭だった。

「ねぇ、フィリス昨日は……」

「待って、私から話させてください」

そう言ってフィリスは、私の言葉を遮った。

そして、深呼吸した後、私の方を見ると、ゆっくりと話し始めた。

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