生徒会
お昼も終わり、教室に戻ろうとした時、チャイムの音が鳴り響く。
午後の授業までには、まだ時間があるよね?と思いながら耳を澄ましていると
この後、午後から生徒集会があるので、講堂に集まってください。と言う
内容のアナウンスが流れた。
「フィリス今の聞いた?集会だって~めんどくさいなぁ……」
「そんな事言ってはいけませんよ?でも……いきなり集会だなんて何かあったんですかね?」
私達は、お互いに顔を見合わせて考え込む。
でも、いくら考えた所で分からないものは分からないので 取りあえず行ってみよう。という結論に至った。
私達が講堂に着くと、既に結構な数の人が来ているようで 中はざわついている。
みんな、集会って何話すんだろうね?とかこんないきなりだなんて珍しいよね?などと話している。
そんな中、私はというと……
何だか嫌な予感がしていた、こんな風に思ってるのは
多分、私だけだと思うけれど……
そう願いながら、私達は空いている席を探して腰かける。
そして、暫くすると壇上に一人の先生が上がりマイクを手に取った。
「これから、生徒会による全校集会を始めます」
その言葉と共に、ザワついていた会場が一気に静まり返った。
その、周りの様子が少し気になり、私は隣にいるフィリスに、こそっと
話しかけた。
「ねぇ、フィリス……」
「……なんですか?」
「生徒会の人ってそんなに凄いの……?」
「そっか、沙羅は知らないんですよね……生徒会はこの学園でとても優秀な人達が集まっていて、この学園でトップの存在が生徒会なのです」
「へぇ…………」
そんなに凄い人たちなんだ、と改めて実感したと同時に
何故だろう……更に不安になった気がする……
そんな事を考えていたら、一人の生徒が壇上に上がっていく。
その姿を見て、私は目を奪われた。
まるで、モデルさんのようなすらっとして整った容姿。
そして、金色の髪はライトの明りを浴びてきらきらと輝いていた。
あんな綺麗な人……見たことがない……
その姿に見惚れていると、その人はマイクを持ち口を開いた。
「皆様お集まりいただきありがとうございます。今日は皆様にお伝えしたい事があり、このような形で集まっていただいた次第です」
その声に、私はまた見とれてしまう。
さっきの人もそうだけれど、どうしてこうも私の心を揺さぶるのだろうか……
もっと聞きたい……ずっと聞いていたい……
そう思っていると、また壇上に一人の生徒が現れた。
その生徒は、茶髪にポニーテールの子で……
「あーー!!?!?!」
「ちょっと、沙羅!?」
「………どうかしましたか?あら、貴女は聖女様の……」
「いえ!なんでもありません!!続けてください!」
「そうですか。では、改めてこの子は私のお手伝いをしてくれることになった、新しい役員です」
そう言って、その子を紹介された。
まさか……いや、そんなはずない……
きっと偶然……でも、もしかしたら……
そんな事を考えていると、その子は笑顔で私達に向けて挨拶をした。
「これから会長様のお手伝いをさせていただくことになりました、
エリーと申します。これから宜しくお願いします」
そう言って、彼女は私達に向かって微笑んだ。
茶髪のポニーテール……フィリスが言っていた子の特徴と一致する。
けれど、そんな子沢山いるだろうし、この子がフィリスが見たって言った子
だと決まったわけではない。
そう思いながらも、私の心にはもやもやとした気持ちが残ったまま集会が終わった。集会が終わった後、私はフィリスと一緒に教室に戻ることにした。
廊下を歩いている間も、もやもやが晴れずにいた。
本当に、あの子がフィリスが言っていた子なのか……
もしそうなら、噂の事を知っているかもしれない。
「ねぇ、フィリス………」
「分かってます、放課後沙羅の部屋にお邪魔しても平気ですか?」
「うん!じゃあ放課後に」
「はい、放課後に……」
そう、放課後の約束をして、午後の時間が過ぎていった。




