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町の人達

「と言っても……どうしましょうか……」

「誰に話しかければいいのかなぁ~」

「俺達が、いきなり話しかけたら怪しまれそうだしな……」

私達は今、困っていた。

話しかけてみる、と決めてみたのはいいけれど、肝心の誰に話しかけるまでは

決めていなかった。

周りを見れば、色々な人達がいる。

若い男女や、お年寄り、小さな子達もいる。

この国では、皆が教会に来て祈りを捧げているのだろうか。

「君達見無い顔だね?」

「えっ?」

考え込んでいると、急に男の人に声をかけられた。

見ると、金髪の優しそうな男性だった。

年齢は私達と同じくらいか……それより若いか……

私達は、とりあえず挨拶をする。

すると、男性は笑顔で返してくれた。

「君達……見た感じ祈りに来たって感じじゃないよね?観光かい?」

「あぁ、宿の女将におすすめの場所を聞いたら、ここの教会を勧められまして」

男性の質問に対して、ルークが答えると納得した様子で、なるほどね、と言った。

「貴方はここの人なんですか?」

「そうだよ、僕はこの辺りに住んでてよくここに来るんだ。でも、旅行でこんな所に来ても楽しくないだろう?」

「いいえ、凄く素敵な場所だと思います」

ルークがそう言うと、男性は驚いた顔をした後、嬉しかったのか笑顔でお礼を言われた。それから、少し話をする事になった。

彼の名前は、アルフレッドと言うらしい。

彼はこの辺りに住んでいるみたいで、教会に来る人達の案内をしているそうだ。

「アルフレッド、少し聞きたいことがあるんだがいいだろうか?」

「もちろん!なんでも聞いてくれ!」

「あろがとう、じゃあ一つだけ……君は王様に会ったことがあるのかい?」

それを聞くと、また驚いていた。

そして、苦笑いをしながら、あるわけないよ。と答えた。

やっぱりそうなのか……

この国の人達は、簡単に王様に会う事が出来ないようだ。

すると、アルフレッドさんは、どうしてそんなこと聞くのかと聞かれたので

上手く誤魔化して、とルークに合図を送った。

「この国に来た時からあのお城が気になっててね、王様に会えないかなって思ってたんだ」

「そうなのかい、王様は俺達ですら会う事が難しい……いや、会えないような存在なんだ」

「そうか……残念だ」

そう言いながら私達はチラッと目を合わせて微笑む。

上手くいったか?と小声で聞かれたので、多分大丈夫です。と答えた。

すると、アルフレッドさんは何か思いついたのか、口を開いた。

どうやら、私達に王都を案内してくれるそうだ。

私達は、素直にアルフレッドについて行くことにした。しばらく歩くと、大きな噴水が見えてきた。

その近くには、沢山のお店があって賑わっている。

すると、突然後ろから声をかけられた。

振り返ると、そこには二人の男性が立っていた。

一人は背が高く、もうひとりは私より少し低いくらいだ。

「アルフレッド!その人たちは?」

「あぁ、旅の人だよ。この辺を観光したいらしいから、連れて来たんだよ」

そう言うと、二人はこちらに近づいて来た。

そして、二人共自己紹介をしてくれた。

最初に声をかけた方が、アレン。

そして、もう一人の方は、カイと言うらしい。私達も、それぞれ自己紹介をした。

「こんな国に観光だなんて……何もない国でしょう?」

「ううん!すっごく楽しいよ!さっきの教会のステンドグラスも本当に綺麗だったし!」

「ふふっ、エミリア落ち着いて。でも、本当に素敵な国です、ね?ルーク」

「あぁ、本当に素敵な国だと思います」

そう言って、お互い顔を見合わせて笑う。

それを見ていた三人は、ポカーンとしていた。

そして、しばらくして我に返ったのか、アルフレッドはそうだろう?と言って笑った。

「じゃあ、俺達用事あるから行くな」

「そうだったのか、じゃあまた後で」

「おう!君達も楽しんでいってね~じゃあ!」

そう言って、二人人はどこかへ行ってしまった。

そして、私達はそのまま王都を見て回る事にした。

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