お泊り会の夜
「さて!後は寝るだけと言う事は……」
「エミリア、まだ何かするつもりなのですか?」
「もちろん!お泊り会と言えば恋バナ
でしょ!」
エミリアの言葉に、私達は首を傾げた。
お泊まり会で恋バナ……
「エミリア……また何かに影響されましたね?」
私がそう聞くと、エミリアは目を逸らした。どうやら図星のようだ。
この子は一体どこからそういう情報を手に入れてくるのだろうか。
私達が呆れていると、エミリアが突然立ち上がり、私の手を掴んできた。
「とにかく本にはそう書いてあったの!」
「はいはい………沙羅にフィリス」
「は、はい!」
「ん~?」
「申し訳ないけれど、エミリアに付き合ってあげてくれない?」
私の提案に二人は驚いていたが、すぐに笑顔になって 分かったと言ってくれた。
途中、ルークが俺はどうすればいいんだと、エミリアに聞くと、恋バナは女の子
だけでするものなの!と言われ、ルークは少し呆れながら分かったよ。と答え
部屋を出て行った。
そして、私達四人は女子トークを始めるのであった。
*****
「それで!沙羅は誰が好きとかあるの~?」
「えっ!いきなりだね……って言うか本当に恋バナするんだ……」
「もちろん!私はねぇ~……」
エミリアは楽しそうに話をし始めた。
沙羅はと言うと、苦笑しながら彼女の話に相槌を打っていた。
私はというと、二人のやり取りを眺めていた。
「あの、ルカ少しいいですか?」
「はい、なんでも」
「エミリアはいつもあんな感じの方なのですか?」
「えぇ……でも、今日は一段と楽しそうです、フィリスのお陰ですね」
「いや、私はそんな……」
「…………最近、エミリアの元気がなかったので、心配だったんです」
「そう……だったのですね」
私がそう言うと、彼女は俯いてしまった。
エミリアは普段明るく振る舞っているけど、たまに寂しげな表情をする時がある。それは、ここ最近、特に増えてきているように感じる。
「けれど、貴方達と遊んで少し元気になったみたい」
私が笑ってそう言うと、フィリスはホッとしたような顔で楽しそうに
笑う二人を見た。
すると、その視線に気が付いたのか沙羅とエミリアが近づいてきた。
「二人とも何話してるの~?」
「ふふっ、秘密です」
「えぇ~教えてよ~」
そんなやり取りをしながら、私達は色々な話をした。
沙羅とフィリスの学園の事、私とルークの事……
それから暫くの間、私達は楽しく談笑をした。
夜も更け、皆そろそろ眠くなってきたようで、お開きにする事にした。
エミリアは最後まで渋っていたが、明日もあるしと言う事で納得してくれた。
皆で布団に入り、電気を消す。
今日は色々あって疲れていたので、目を閉じて直ぐに眠りについた。
翌日、朝起きて身支度を整えると朝食を作るためにキッチンに向かった。
すると、フィリスが先にキッチンに立っていた。
「フィリス?ここに居たのね」
「はい、皆さんの朝食の準備をしようと思いまして……」
そう言いながら、彼女は慣れた手つきで卵を割っていた。
私も何か手伝おうと、冷蔵庫から食材を取り出す。
二人で料理をしていると、エミリアが起きてきた。
その後から、皆がぞろぞろとリビングにやってきた。
全員揃ったところで、皆でテーブルにつき、食事をする。
「これ、二人が用意したの?」
「えぇ、お口に会うといいのですが……」
「凄く美味しいよ!」
そう言いながら、私達が作った食事を美味しそうに食べる彼女を見て、私も嬉しくなって笑顔になる。食事が終わると、皆で食器の後片付けをして、楽しいお泊り会は終わった。
帰り際、エミリアがまたやろうね!と言うので、皆で約束をして別れた。




