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お泊り会

「さて、そろそろ帰りましょうか」

「え~もう?」

私がもう、帰ると言った瞬間、沙羅は不満そうな表情をして、駄々をこねる様にそう言った。

確かに、海は楽しかったしまだまだ遊びたいなと思うけれど、他にも遊びに行きたいところは沢山あるし、何より遅くなったら帰るのが危なくなってしまうから。そう、沙羅に伝えてみたけれど、やっぱり納得していないみたいで、拗ねてしまった。

「私はまだ遊びたい……」

「でも、遅くなったら危ないし……ほら、来た道暗かったでしょう?」

「皆がいるから大丈夫だもん!ね?」

「えっ!?えっと……私はルカに賛成かな……ルークは?」

「俺も賛成。海ならまた皆で遊びに来ることが出来るだろう?」

「えぇ、そうですよ沙羅」

皆にそう言われると、沙羅はうーん………と沢山悩んで沙羅は渋々といった様子だったけれど、わかった。と言ってくれた。それに安心していると、エミリアが、そうだ!と、突然大きな声を出した。

「どうしたの?エミリア」

「折角だし、夜ご飯は皆で作らない?」

夜ご飯を作る?と、皆で首を傾げていると、 エミリアが説明してくれた。

「沙羅が帰りたくないのは、皆と離れるのが寂しいからでしょ?」

「………うん、そうだよ」

「やっぱり!だったらさ、今日はお泊り会をすればいいんだよ!」

「お泊り会……ですか?」

「そう!皆でご飯作って、食べて、寝るの!そうすれば、もっと楽しくなるでしょ!」

そう言ってエミリアは楽しそうに笑った。

確かにみんなでそんな事出来たら楽しいだろうけれど、皆だってそんな事

いきなり言われても

迷惑なんじゃないだろうか……。

そう思って他の人達の顔を見てみると、案の定、戸惑っているようだった。

沙羅以外は……。

「楽しそう!帰る途中に食材とか買って帰ろうよ!」

「いいね!皆は何が食べたい?」

「いや、俺は遠慮しておくよ……」

「え~どうして?」

「私達と遊びたくない?」

エミリアと沙羅にそう言われて、困った様な顔をするルーク。

そんな彼に向かって、助け舟を出すことにした。

「ルークは男の子ですから……私達とお泊まりしてもいいのか悩んでいるのですよ」

私がそう言うと、彼はハッとしたような顔をして、それから申し訳なさそうにして、ごめんなさい。と言った。

「なんでそんな事をきにするの?ルークはルークでしょう?私は気にしないよ!ね?沙羅」

「うん!ルークだって私達の大切なお友達だし、それにルカの大切な人だから!」

「ですって、どうしますか?ルーク」

「は~分かったよ。参加します」

ルークは諦めたような顔をして、それから小さくため息をついた。

すると、二人の嬉しそうな声が聞こえてきた。

「それで、フィリスはどうしますか?」

「えっ!?」

今まで、ずっと黙っていて

、話に入っていなかったフィリスに声をかけると、彼女は驚いたように肩をビクッとして反応した。

「あの……私は……」

「フィリスも来るよね!私フィリスと沢山お話したいことがあってね!」

沙羅は、フィリスの手を握って、ニコニコしながらそう言った。

そんな彼女に少し圧倒されていたフィリスだったけれど、少し経って落ち着いた後、笑顔でこう言った。

「そこまで言われたら断れませんね、私も行きます」

こうして、私達の初めてのお泊り会が決まった。

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