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謎の紙

地面に落ちた小さな紙を手に取ろうと手を伸ばす。

この間、この紙を取ろうとした時は、バチッと電気が走り紙は燃えて消えてしまったけれど、今回は私の力のお陰か紙は燃えて消えたりしなかった。

「よかった……これで、犯人を探せるかも」

手に取った紙を眺めながらそう呟く。

改めて、紙に書かれた魔法陣をじっくりと観察する。

やはり、以前あの森で見つけたのと同じものだと思う。

「でも、こんな術を使う人なんてこの国には………」

そう、いるはずがない。

しかも、この魔法陣はかなり高度なもので

これを扱えるのは、私ぐらいの聖女ではないと無理だ。

けれど、聖女がこんな魔法を使う訳がない。

聖女がこの魔法を使ったら、聖女としての力を失い

かねないからだ。

それだけ、強力で邪悪な魔法なのだから……

そして、私はこの紙に触れて気づいたことが一つあった。

「アルマ様の気配……」

あの人に力は無いからそんな事出来るはずがないのだけれど

この紙からは微かにだけど、アルマ様の魔力を感じる。

おそらくだけれど、この犯人の人がアルマ様を使って何かしたんだ……

でも、一体何を……

けれど、これで話が少し見えてきた。

あの人は、この犯人と一緒に何か企んでいる。

その、ターゲットになっているのはおそらく……

「私……ですね……」

そうとしか考えられない。

だとしたら、あの人が大人しくしているのにも

納得が行く。

「私が、アルマ様と接触するのを待ってるってところですかね……」

きっと、その時何か起こるのは間違いない。

でも、何が起こるのかまでは分からない……本当なら接触するのを避けて

逃げ出した方がいいのかもしれないけれど、でも、このままにしておくわけにはいかない。

「とにかくルークに相談してみましょう……」

そう呟いて、立ち上がり家に帰ろうと振り返った。

瞬間、しかし、後ろには誰も居なくて

ただ、風が吹いているだけだった。

ふわっと頬に風を感じて目を細める。

「誰かいる気がしたのですが……」

気のせいだったのかな……

そう呟いて、再び歩き出す。ゾクっと背筋が凍るような感覚がして 咄嵯に振り返った。


しかし、後ろには誰も居なくて

ただ、風が吹いているだけだった。

ふわっと頬に風を感じて目を細める。

「誰かいる気がしたのですが……」

気のせいだったのかな……

そう呟いて、再び歩き出す。

歩きながら、帰ったらルークに連絡しなきゃ。とか、これから

どうしたら良いのかとか考えながら歩く。

そう言えば、ここに来てからムルの様子を見ていない。

いつも、ここに来る時はくっ付いてきているのに……

やっぱり、森があんなことになっていたのと関係があるのでしょうか……

「ムルの事も心配ですし、早く帰らないと……」

そう言って、急ぎ足で森を抜けた。

家に着くと、家の中はとても静かだった。

どうやら、皆どこかに行っているらしい。

急いで、自室に向かってムルの名前を呼ぶ。

「ムル?いるの?」

そう、声を掛けるけれどムルの返事は無くて、ただ声だけが響いていた。

おかしい……いつもなら、呼べばすぐに出てくるのに……

そう思いながらも、もう一度名前を呼んだ。

けれど、ムルの姿は無くて不安だけが募っていく。

もしかして、ムルまで巻き込まれたんじゃ……

ムルの身に何か起こったんじゃないかと、焦りを覚える。

「ムル……無事でいて……」

祈る様に呟いて、ムルを探しに家を飛び出した。

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