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学園に入学

カーテンの隙間から朝日が差し込み、部屋を明るく照らし出す。

ベッドの上で横になっていた私は、眩しくて目を覚ました。

んーっと背伸びをして、起き上がって、カーテンを開いて窓の外を見る。

「良かった……晴れてくれた」

外を眺めてそう呟く、今日は私にも沙羅にとっても大切な日。

だから、雨なんか降っていたら大変だ……

そんな事を考えていたら、部屋の扉がトントンとノックされる音が聞こえた。

きっと、朝食の準備が出来たので呼びに来てくれたのだろう。

そう思って、すぐに返事をした。

「はい、どうぞ」

「おはようございます、お嬢様。お食事の用意が出来ました」

「そう、ありがとう。着替えたらすぐに向かうわ」

「かしこまりました。では、お待ちしておりますね」

メイドはそう言って、一礼してから下がって行った。

「さて、皆様を待たせる訳にはいかないし、早く向かいましょう」

そう呟いて支度を始め、食堂に向かった。

*****

「おはようございます」

「おはよう、ルカ。今日は沙羅さんの入学の日だろう?準備は大丈夫なのか?」

「はい、昨日までに済ませておりますので問題ありません」

そう答えながら、席に着く。

テーブルの上には、美味しそうなお料理が並べられていて、とても良い香りが漂っている。

「そうか、それは良かった。転入生として通う事になるんだろう?学園に慣れるまでは、大変だろうから、ルカがサポートしてあげてくれ」

お父様はそう言って、優しく微笑んでいる。

私も、笑顔を返しながら 分かりましたと、一言返した。

「沙羅さんは寮に入るんでしょう?」

「えぇ、沙羅さんも楽しみだって言っていました」

お母様に聞かれた事にそう答えると、あらまあ、と嬉しそうに微笑んでいた。

「ルカ、のんびりするのもいいけれど……そろそろ時間じゃないのか?」

お兄様にそう言われ、時計を確認すると……

もう、約束の時間が迫っていた。

「私もう行きますね……!!」

慌てて立ち上がり、玄関に向かって走る。

待ち合わせの場所に急いで向かうと、既に沙羅の姿があった。

私が声をかける前に、向こうが気付いてこちらに駆け寄って来た。

「おはよう!ルカ!」

「おはようございます、遅くなってしまってすいません」

「ううん!大丈夫だよ~」

「良かった……じゃあ行きましょうか」

「はい!」

二人で並んで歩きながら学園へと向かった。

歩きながら、学園はどんな感じなのか?とか、友達が出来るといいな~なんて話しているうちに、あっという間に着いてしまった。

校門の前で立ち止まり、校舎を見上げる。

「さぁ、こっちですよ」

「う、うん!」

緊張している沙羅の腕を引いて、学園長の元に向かった。

しばらく歩いて、学園長室の前に着いた。

扉をノックすると、中からどうぞ、と言う声が聞こえる。

失礼します、と声をかけてから部屋に入った。

「失礼します、沙羅さんをお連れしました」

「ほぅ……その子が」

「ほら、沙羅挨拶して」

そう言って、沙羅を前に押し出して挨拶を促す。

すると、沙羅はペコリと頭を下げて自己紹介を始めた。

その様子を見て、私は微笑みを浮かべる。

すると、沙羅も私を見て微笑みを浮かべた。

「これから、大変な事もあるかもしれんが……頑張るんだよ」

「は、はい!」

「じゃあ……教室の方に向かいましょうか」

「うん、そうだね」

失礼しました、と挨拶をして学園長室を出て廊下を歩く。

歩いている途中、沙羅はキョロキョロと辺りを見ながら楽しそうにしている。

そんな様子を見て、クスッと笑みを零す。

「ここが、貴女のクラスになります」

「ルカは入らないの?」

「えぇ、私はここまでです。ここから先は、沙羅一人で行くんですよ」

そう言うと、沙羅は不安そうな表情を浮かべていた。

その表情を見た私は、沙羅に近付き頭を撫でながら言葉を続ける。

「貴方なら大丈夫です」

そう言って、にっこりと微笑む。

それを聞いて安心したのか、先程までの表情とは違い、笑顔を向けてくれた。

そして、沙羅は自分のクラスの方へ向かって行った。

その姿が見えなくなるまで見送ってから家に帰る事にした。

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