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エミリアの思いついた作戦

『私にいい考えがあるの』

そう言ってエミリアは、私達の顔を見て、ニコニコと楽しそうに笑っていた。

この子の思いついたいい考え……正直嫌な予感しかしないのだけれど……

「それで、エミリアの言ういい考えって?」

「まぁまぁ~えっとね……これは、ルカと沙羅に協力してもらう事なんだけれど……」

「私と沙羅にですか?」

「うん!……でも、多分危険な事になると思う。だから、先に謝っておく……ごめんなさい。ルカ、沙羅……そしてルーク」

エミリアは、私達に頭を下げた。

きっとエミリアは、色々と考えた上での行動なんだろう。

それに、こうなったらもう止めても無駄なのは分かってる。

だから私は、エミリアに大丈夫だから顔を上げて、と言うと 、エミリアは申し訳なさそうな表情を浮かべながらも、ありがとうと言ってくれた。

「エミリアは私達の事を考えてくれたのでしょう?」

そう聞くと、エミリアはコクりと首を縦に振った。

それなら答えは決まっている。

「なら、エミリアを信じます、ね?沙羅にルーク?」

「うん!当たり前だよ……!私頑張るから!」

「そうだね、俺も信じるよ。だってエミリアは面白がって人を傷つけるような子じゃないって知ってるから」

そう言って、2人も私の意見に賛成してくれた。すると、エミリアはホッとしたような表情になり、ありがとうと笑顔でお礼を言ってくれた。

「それで、エミリアの作戦は?」

「うん、えっとね……ルカ」

「は、はい!」

「ルカには…………アルマの愛人になってもらいたいの」やっぱり……予想通りの作戦で思わず苦笑いしてしまう。

確かに、これしか方法はないだろうし、これが一番良い方法だとも思う。

でも……

ちらりと、横にいる沙羅を見てみると、案の定驚いた様子で固まっていた。

無理もないと思う。

「えっ!?あの、それは……」

と困惑している沙羅を余所に、エミリアは話を続ける。

私が愛人になる事で、あの人はきっと調子に乗るから、それを利用する。

エミリアはそう言った後、私の方をじっと見つめてきた。

そうか……エミリアの作戦がなんとなくわかってきた。

「沙羅にはルカとアルマが浮気している証拠を掴んで欲しいの」

「私が証拠を?」

「うん、証拠を叩きつけて婚約破棄する。その後、アルマは国外追放にでもすればいいんじゃないかしら?」

「でも……それじゃルカが……」

「そう、浮気したって言われてしまう。だから、味方を作るの」

「味方?」

「うん、この作戦を成功させるためには、協力者が必要なの。その協力者集めを……」

「俺か、分かった……どうにかする」

「そう言ってくれると思った、協力者集めは私も手伝うから……!あとは……ムルにお手伝いしてもらいたいんだけれど……」

「えっ!?エミリア、ムルの事知っているの?」

「うん、前に私の所にあの子が来たの、で大丈夫かな?」

エミリアとムルが知り合いだったことに驚いたけれど、エミリアにだって

力があるのだからムルが見えてもおかしくは無いか……

あの子いろんなところによく行っていたけれど……今度色々聞かないとね……

「うん、ムルに伝えておくわ。多分大丈夫って言ってくれるはずよ」

「良かった~じゃあ、三人とも…改めてよろしくお願いします」

こうして、私達はあの人を嵌める為に動き出した。


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