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あの時起こったこと

ルカが私の家に来た時驚いた。

いつもの様な元気が無くて、顔色がすごく悪かったから……

すぐにでも、どうしたの!?と駆け寄って聞きたかったけれど、きっと何か

事情があるのだろうと、思った私は、言いたかった言葉をグッと飲み込み、いらっしゃい!といつもの様に沙羅を出迎えた。

*****

「沙羅?どうかしましたか?」

「あっ!ううん、なんでもないよ」

お勉強会中だというのに、沙羅はずっとボーっとしていて上の空だった。

何も聞かない、と思っていたけれど、こんな様子の沙羅を見てしまったら、流石に気になってしまう。それに、何かあったなら力になりたい。

「ルカ、そろそろ私も次に進みたい……!」

「そうだね……でも、今日じゃない日にね?」

「えっ?」

沙羅は目を丸くして、キョトンとした表情で私を見た。

私にも何か役に立てることがあればいいな、と吞気に考えていたけれど

まさか、こんな事になるだなんて思いもしなかった……

*****

数日後、私とエミリアとルークはさらに呼ばれ、私の家に

集まっていた。

「それで、この間のお話って?」

一番に口を開いたのはエミリアだった、

彼女は好奇心旺盛で、こういう時真っ先に

行動を起こす子だと知っているので、今回も率先して聞いてくれる事にホッとしていた。

「うん。多分……いや、絶対驚くと思うんだけれど、落ち着いて

聞いてくれると嬉しいな……」

そう言って沙羅は、私達を真剣な目で見つめた。

私も大丈夫だから、教えて欲しいというと、沙羅は大きく深呼吸をして、意を決したのかゆっくりと話し出した。

「あのね……アルマの事なんだけれどね……」

「アルマ様の?」

「うん……この間少しお話をした時があってその時に……」

「沙羅?大丈夫?ゆっくりで大丈夫だからね?」

「うん、大丈夫ありがとう……大丈夫。ふぅ……」

エミリアがそう言うと、沙羅は少し落ち着いたのか

ふぅ、もう一度大きく息を吐いてから、続きを話し始めた。

「……ルカがアルマの元に戻りたい、愛人でもいいからと言っていたって……そんな事あり得ない!って思ったけれどあの人に言い返せなかったし、何より

そう言っていたあの人の笑顔がすごい怖かった……」

そう言って、沙羅はブルッと体を震わせた。

そんな沙羅の様子を見て、エミリアは眉間にシワを寄せて とても怖い顔をしていた。それは、エミリアの隣にいたルークも同じで、2人とも怒りの感情が滲み出ていた。

「辛い事を話してくれてありがとう、沙羅……」

「ルーク……いいえ、あの時私が言い返せてたら……」

「いや、この事を俺達に伝えてくれただけで充分だ。あの場でアイツに逆らったら何をされるか分からないからな……」

「でも……あの時……」

私は、沙羅の言葉を遮り、ギュッと抱きしめて、頭を撫でながらありがとうと伝えた。あの人は、本当に馬鹿だ……私の大切な人をこんなに傷つけて……許せるはずがない。

「あの人がそんな事を言ったのは多分私のせいです」

「えっ?そんな……!ルカは何も……!」

「いいえ、あの人がこの前私の所に来て言い寄ってきたのです。もちろん、私は断りました、けれどあの人は納得がいかなかったようで……私を絶対自分の物にすると言って帰って行きました」

「もしかして私に寮に入った方がいいって言ったのも……」

「えぇ……あの人が何するか分かりませんから、その方が安全かと思いまして」

沙羅は俯きながそうだったんだ……と小さく呟いた。

沙羅を不安にさせたくなかったから、黙っていたけれど それが逆に不安にさせてしまう結果になってしまった。

そんな事を考えいると、突然ドンと大きな音が響き渡り、驚いて音の方を見ると、テーブルを叩いたと思われるルークがいた。

「アイツはどれだけルカを傷つければ気が済むんだ……」

そう言って、拳を強く握りしめているルーク。

こんなに怒ってるルークは初めて見たかもしれない……

けれど、私だって同じ気持ちだ。

私の大切な沙羅をこんな目に合わせて……許せるはずがない。

「ねぇ、私にいい考えがあるんだけれど聞いてくれる?」

そう言ったのはエミリアで、皆でエミリアの話に耳を傾けた。

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