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気まずいお勉強会

あんな事があったけれど、今日もお勉強会は開催されて

私は気まずい気持ちで、ルカの家に向かった。

「沙羅いらっしゃい!さぁ、上がって」

「お邪魔します!」

「うん、今日も頑張りましょうね」

ルカはそう言ってニコッと笑った。

こんな優しいルカにあんな事伝えられる訳ないよ……

でも、早めに伝えた方がいいのは分かってるけ、けど、どうすれば……

そう思いながら、ルカの後についていくといつもの部屋に案内された。

中に入ると、既にエミリアが椅子に座っていて、私達が来た事に気づくと、顔を上げてこちらを見た。

「沙羅!いらっしゃい~!」

「エミリア!」

「今日も頑張ろうね~!」

そう言って、私の手を握りブンブンと振った。

元気だなー、と思いつつ、私もその手を振り返した。

それから少しして、ルカが飲み物を持って部屋に戻って来た。

今日のお勉強の内容は、魔法についての復習だった。

ルカに教わりながら、一つずつ魔法を使っていき、どの魔法がどんな時に使えるかとか、どういう場面で使うか等を教えてもらった。

魔法を使うのも慣れてきたので、そろそろ次のステップに進みたいとルカに相談してみた。

すると、ルカは少し考える仕草をして、そうね……と一言言った後、私に向かって微笑んでくれた。

「でも!今日じゃない日にね」

「えっ……?どうして……」

「だって今日の沙羅どこかおかしいもの」

そう言って、ルカは困ったように笑ってみせた。

やっぱり……ルカは凄いな。

隠し通せると思ってたのに……。

「そうそう、私にだって分かるんだから、ルカが気付かないわけ無いでしょう?」

その言葉を聞いて、隣にいたエミリアもうんうん、と大きく首を縦に動かしていた。2人とも……本当に私の事をよく見てくれてる……

嬉しいと思ったと同時に、こんな心配をかけて申し訳ないな……なんて思ってしまった。

2人から視線を外し俯いていると、目の前のテーブルがカタっと音を立てて揺れたので不思議に思い前を見ると、いつの間にかテーブルの上にお茶菓子が置かれていて、エミリアがそれを食べて!と勧めてくれたので、私はそれを頂くことにした。

「美味しい……」

「でしょ?ルカの手作りなんだから当たり前よ!」

「ふふ、なんでエミリアが自慢げなの?でも、美味しいでしょう?私の自信作なの」

そう言って、ルカはニッコリ笑った。

確かに、ルカの言う通りとても美味しくて、私達は夢中でお菓子を頬張っていた。そんな私達の様子を見て、ルカは嬉しそうな表情をしていた。「それで?沙羅の悩み事は何かしら?」

突然のルカの言葉に、私はビクッと肩を揺らしてしまった。

そして、私はゆっくりルカの顔を見てから、もう一度下を向いてしまった。

そんな私を見て、ルカはクスリと笑い声を漏らすと、私には言えない事?

と聞かれ、私はフルフルと顔を横に振った。

「そんな事ないんだけど……」

「無理には聞かないわ。でも、もし話したい事があればいつでも相談に乗るからね」

そう言って、ルカは優しく微笑んだ。

こんな優しいルカにもう隠し事するのも嫌だ……

けれど、話すのならルークもいた方がいいよね。

「ありがとう、でもこの話はルークもいた方がいいから……だから、今度時間がある時に四人でお話が出来ないかな?」

私がそう伝えると、ルカとエミリアはお互い目を合わせて、コクリと一度うなずいた。

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