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先生に相談

化学準備室の扉の前でふぅ、と深呼吸する。

これだけは、どこの世界にいても慣れる事が出来ないと思う。

「よしっ」

コンコン、と扉をノックすると中からはーい、と気の抜けた返事が

返ってきたので、私は失礼します。と言って化学準備室の扉を開いた。

「失礼します……」

「はーい、って高木さん?」

「先生に聞きたい事があって、今大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよ~」

そう言ってウィル先生はへらっと笑った。

準備室の中はコーヒーの匂いが充満していて、ここでコーヒーを飲んでも

良いのかな、なんて思ってみていたらウィル先生が君も飲むかい?

と言ってきた、それに私は大丈夫ですと答えて、早速本題に入ることにした。

「あの……ミホさんのクラスって分かりますか……?」

「ミホさんんってあの生徒会の子の?あの子は確かBクラスだったような……間違ってたらごめんね」

「先生が間違えるとかあるんですか……?」

「いや~僕だって人間だからね、たまには間違えるよ~」

そう言ってウィル先生はあははーと笑ってた。

でも良かった、ミホのクラスが分かって……

学年は多分、私と同じはず、だって制服のタイの色が私と同じだったから。

これで、生徒会メンバーの事が分かったのも同然、あとは……

ミホの部屋だけど……ウィル先生が知る訳ないよね……?

でも、一応聞いておこうかな。

「あのぉ……ミホさんの部屋の場所とかって知ってますかね……?」

「いや~流石に分からないかな、ごめんね。でも、それなら高木さんが聞いたらいいんじゃない?」

「まぁ、そうなんですけど……」

「何か訳ありみたいだね?僕で良ければ聞くよ?」

ウィル先生にそう言われて、私はうーんと悩んだ。

でも、一人で悩んでても解決の糸口も見つからないから……話してみるか。

そう思い私は、ウィル先生の目の前に座って話をする事にした。

私の顔を見て先生は真剣な顔になったので、私も緊張しながら口を開いた。

「先生に私の噂の事を聞いたじゃないですか、その事で色々とあって」

「色々と?もしかして……そのミホさんが犯人だったとか……?」

「……他の先生と生徒には秘密にしてくれますか?」

「もちろん!これでも先生だからね」

「分かりました、先生の想像通りミホさんが犯人でした……でも、その裏にはミホさんに命令していた人がいて……それが生徒会長だったんです」

「生徒会長……まさか……!!あの子がそんな事を……」

そう言って、ウィル先生は驚いた表情をしていた。

そりゃそうだ、だってあの品行方正な生徒会長が悪い噂を流している。

だなんて言われたら誰でもそう思うはず、この話をウィル先生以外に言ったら

鼻で笑われるとか、逆に私が叱られたりしたんだろうな……

そう思うと、ウィル先生に相談したのは正解かもしれない。

「驚くのも無理はないです……でも、本当なんです」

「あの子が……うーんまぁ、そうだね。

高木さんが嘘を言うとは思ってないから」

やっぱりウィル先生はいい先生だ……こんな話を信じてくれて。

私はそれだけでもなんだか嬉しかった。

「それで、ミホさんに話を聞きに行くから場所を教えてくれって事か」

「はい」

私はウィル先生にそう聞かれ、大きく頷いた。

先生はうーんと頭を掻きながら何かを考え、しょうがないと呟いた後

近くにあった電話に手を伸ばした、そして私の事は隠して、ミホの部屋の場所を知りたい生徒がいる、ミホが体調を崩していたのでお見舞いに行きたいそうだ。

なんて、もっともらしい嘘を先生が言っていた。

こんな嘘、よく咄嗟に思い付くなぁ……と思いながら話を聞いていた。

電話を切ると、ウィル先生は私の方を見てこう言った。

「370だって、ミホさんの部屋」

「先生……ありがとうございます……!」

「うん、頑張っておいで~」

「はい!ありがとうございました!」

私は座っていた椅子から勢いよく立ち上がり部屋を出た。

****

「まさか、生徒会長さんがねぇ……人は見かけによらないなぁ」

そう呟いて、冷めたコーヒーを飲み干した。

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