帰ってきたルカ達
私達は今、北の国から帰り自分たちの国にいた。
数日この国を離れただけなのに、何だか何年も離れていたような……そんな
感覚に襲われた。
「はぁ~やっと帰ってこれた……やっぱり自分たちの国の方が落ち着くね~」
「そうだな、俺も久しぶりに落ち着けた気がするな……」
二人がそんなやり取りをしている姿を見つめながら、私は ずっと魔女の事を考えていた。
結局私には何も出来なかった、ムルを助ける事や魔女を説得する事も……
ムルはまだ、あの黒ローブの男に捕まって居るのだろうか……
「二人とも、そろそろ家に帰りましょうか」
「うん!早く帰らないと皆心配するだろうし……」
「そうだな、早く帰ろうか」
3人でそれぞれの家に向かって歩き出す。
私達は歩きながらあの国であった出来事について話していた。
魔女の事、闇魔法の事、それからムルの事……
話しても話しても話し足りないくらい、あの国であった出来事はとても濃いものだった。
だからかもしれない、私の足取りはとても重かった。
あの時、自分は何も出来なかった、二人を守るので精一杯だった……
魔女は、私の魔力を欲していた、私の魔力を奪ったからと言って聖女に
なれる訳じゃ無いのに……
「カ……ルカ……!どうしたの?ボーっとして……」
「だ、大丈夫です……ちょっと考え事を」
「本当か?何処か怪我でもしたとか……」
「本当に大丈夫ですから!あ、もう私の家ですね!じゃあ私はこれで……!」
そう言って、私は二人から逃げるようにして家の中へ入っていった。
後ろから二人の声が聞こえてきたけど、今は一人になりたい気分だった。
私は自分の部屋に入ってベッドに倒れ込んだ。
色々な事が起こりすぎて頭が混乱している。
あの日、あの国で見た光景が今でも忘れられない。
どうして、あんな酷い事が出来るのか……
「……沙羅に相談してみようか」
そう思った私はベッドから起き上がって、スマホを手に取ると沙羅にメッセージを送った、けれど沙羅からの返事は来なかった。
いつもなら、すぐにメッセージの返事が来るのに……
「忙しかったかな……」
そう、呟いて私はスマホの画面を閉じた。
そして、メッセージを送ったのを忘れていた頃、スマホが鳴り沙羅からの
メッセージが届いた。
内容は、"もちろん大丈夫だよ!楽しみにしてるね!”と言う内容で
そのメッセージを見た瞬間、ホッと安心した気持ちになった。
沙羅はやっぱり凄い……
私ならきっと一人で抱え込んでしまっていたと思う。
沙羅が居てくれて良かった……
「でも、あんな話して沙羅はびっくりしないかしら……きっとするわね……」
沙羅に早く会いたい………こんな事を思うのは、やっぱり私があの子と離れていたから?
「なんてね」
ふふっ、と笑いながら沙羅に話す内容を考えていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまい 気付いた時には寝てしまっていた。
きっと、疲れが溜まってたんだと思う。
その証拠に、朝起きたら体が痛かった。
でも、不思議と嫌な感じはしなかった。
むしろ、心が軽くなっていた。
きっと、久しぶりに落ち着く場所で過ごすことが出来たからだと思う。
そして、実感した……帰ってきたんだなぁ……と。




