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実は私最強の聖女なんです

えっ?」

「聞こえなかったのか?なら、もう一回言ってやるからよく聞いておけ。

新しい聖女が現れた、よってお前はお役御免だと言っているんだ」

この男は一体何を言っているんだ?

聖女が現れた?それはこの間現れた【タカギサラ】の事を言っているんだろうか?

あの子の名前は、『高木沙羅』異世界では女子高生をしていたと自己紹介してくれた。

長い綺麗な黒髪に、サファイアの瞳に私は思わず見惚れてしまった。

あの時は私がこの子のお姉さんになれるんだってウキウキしてたっけ。

「いえ、それは聞こえていました。私が聞きたいのその理由です」

「ふんっ、まぁお前と話すのは最後だろうしいいだろう。お前、自分の年齢は分かるか?」

「もちろんです。今にじゅう……」

「言わなくてもいい!つまりお前はもう年と言うわけだろう?そこに若い聖女が現れたら

そっちの方がいいに決まってるだろ」

「は…?つまりアルマ様は若くて可愛い聖女が現れたのでそっちにしたい、その為には

私が邪魔なのでお役御免だと、そう言いたいのですか?」

「ふんっ、お前にしては賢いじゃないか、その通りだ。だが、お前を捨てるわけではない、あの聖女は

こっちに来たばかり、まだ俺の妻になるのは難しいだろう。そこでお前には俺の妻として接してもらいあの聖女の

教育係をしてもらいたい。もちろん聖女が成長したらあいつと婚約する、どうだ素晴らしいだろう?」

こいつは一体何を言っているんだ?妻?教育係?

そんなこと言われて、はい分かりましたと言って付いていく女性が何処にいると言うんだ。

そして何よりムカついたのが、私は年増で若い女の子の方がいいと面と向かって言われたことだ。

この世界の聖女の能力は、年齢によって決まる。

しかし、小さい頃から力を持つ子も稀に表れたりするが、基本は年齢が高い人ほど力が強い。

この男は、この国の王子だと言うのにそのことを理解していないようだ、情けない…

そして私はと言うと、なんと小さい頃から光魔法を扱っていた。

けれど、それを知られるのが嫌で、ずっと隠していた、この事を知っているのは家族とおばあ様だけ。

だから、この男がこんな風に勘違いしているんだろな…聖女の中で私に敵う人なんていないのにね。

はぁ、でもこれでこの男の気持ちがわかった、もう遠慮なんてしない。

「なるほど、それはいい提案ですわ」

「はっ、だろう?じゃぁさっそくだが…」

「アルマ様が私をどういう風に見ていたかやっと理解出来ました、そして私はもう我慢しません」

「伶花…?何を言って」

「婚約破棄しましょうか」

「えっ?伶花おかしくなったのか…?お前が俺と離れるなんて許さない…」

「アルマ様は何か勘違いしています、私はアルマ様のお人形じゃない。一人の女の子なんですよ?」

そう、私は今まで黙っていたけど、本当は苦しかった。

アルマ様は私と出会った時から私を下に見て、なんでも言う事を聞くお人形扱いして

婚約したら変わるかなと期待したが、そんな事で人間変わるなら苦労はしない。

でも……これで、やっと離れることができるんだ……

くるりと背を向けて扉の方へ歩いていく、後ろからアルマ様の声がしたが私は聞こえない振りをした。

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