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メイドは何着ても可愛い

ごめんなさい。今日も少なめです

 チンピラに絡まれたあとは、特にイベントはなくショッピングモールに俺達はついた。


「この世界にはこんな場所があるのですね。神から聞いてはいましたが、想像以上です」


 今のところはスーパーしか見たことがなかったリアラは、そのショッピングモールの大きさに驚いていた。


「まずはリアラの服から選ぼう。別に計量カップは適当に選べばいいし」


「いえ、私のものは別に……」


「いいからいいから」


 自分は後回しというリアラを押しきって、俺は少し高めのブランドの服が売られている服屋に向かう。


「お客様、洋服をお探しですか?」


 その店に入ってすぐに店員が声をかけてくれる。ぶっちゃけ俺は女の子と出かけたことが殆ど無かったため、どういう服を選べばいいのか分からない。店員が探してくれるのが一番良いと思ったので、すべてを任せる事にした。


「彼女に似合う服を何着かお願いします」


「かしこまりました。ではこちらへ」


 リアラが店員と一緒に服を選んでいる間、俺は近くにあった椅子に座って待っておく。

 正直、リアラは何を着ても似合いそうな気がする。何ならジャージでも問題はないのではなかろうか。これだけ美人で可愛いので、それに見合った服を着させてあげたい。

 リアラが色々な服を着ている想像をしていると、店員から声をかけられた。


「彼氏さん見てください! すごくお綺麗です」


 彼氏? もし俺が彼氏なら、普段向けられていた冷たい視線はなんなの? ……まあいい。説明するのも面倒なので、ここは合わせておこう。今はリアラの……、


「お、おお……」


 俺は何も言葉が出なかった。

 リアラが着ているのは、水色がベースで控えめに花柄のついた冬用のロングワンピース。何を着ても似合うと思っていたが想像以上で、ワンピースがよりリアラの可愛さを引き立てている。

 クールな表情をしているリアラとは逆の可愛い服で、ギャップが生まれている。

 と言うか正直に言ってしまえば、


「リアラが美人だよな」


 ワンピースも確かに良いのだが、それ以上にリアラが美人で可愛い。

 

「……お世辞はいいです」


「お世辞なんて言ってどうするんだ。ちゃんと似合ってるって」


 するとリアラはクールな表情を崩して恥ずかしそうに、


「……ではこれを買います」


 そう言ってリアラは試着室に戻っていった。


「何着ても似合いそうだよな。寧ろどんな服でもリアラに服が負けそう」


 その後も何着か試着したが、どれも似合っていたので、俺はリアラが試着した服を全部買ってしまった。

 店員はできるだけ安い服を選んでくれていたようで、コスパのいい納得できる買い物ができて俺は満足だ。


「こんなに買ってもらっていいのですか?」


「大丈夫、まだ余裕はあるから」


 俺に不自由させないようにと、父さんは毎月多めにお金を振り込んでくれている。あとは外に遊びに行かないがために、毎月振り込まれるたびに貯まっていくお金にはまだまだ余裕がある。

 

「あとは適当にフライパンとか買って帰ろうか。もちろん計量カップとかも」


「はい」


 今日リアラが見せた表情はかなりの収穫だ。これからも色んなリアラの表情を引き出せたらいいと、そう思った。

 

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