表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/72

26.5 石壁の村 ルッカ



 ゴギョウが地下へ向かったその後、ルッカは村へと戻りテトの宿へとむかう。


 ゴギョウの掘ったトンネルは地面が平らにならされとても歩きやすい。薄暗く出口は遠く、小さく見えるが時々壁に埋め込まれた輝石がぼんやりと足元を照らしてくれる。

 ルッカの小さな足でたっぷり1時間はかけてトンネルから外へ出る。

 昼を少し過ぎたくらいの時間だろうか。とりあえず村へと向かう。



 村の中を素早く走り抜けテトの宿に入ったルッカは、テトの部屋に向かうがだれもいない。

 厨房に行ってみるとテトが野菜を洗ったり、皮を剥いたり下ごしらえをしていた。


「テト!戻りました!」


「おかえりなさい、ルッカ」


 どこかのんびりとした風にテトは顔を上げ、ルッカを足元に見つける。

 その周りを見渡してみるが転位者の男性はいない。


「あれ?ルッカだけ?」


「はい!聞きたいことがありまして、ひとりで戻ってきました!」



 ルッカはゴギョウとトンネルを進んでいると地下に向かう仕掛けを見つけたこと、そこにゴギョウ一人で降りていってしまったことなどを伝える。


「というわけで、そんなものがあるのはご存知でしたか?」


 ルッカは割と単純で、質問や疑問もシンプルに伝えてしまう。


「それと、白くてぶよぶよして、きキバやツメのあるモンスターなんてこの辺りににはいますか?」


 うーん、とテトは顎に指を当て考える仕草をする。


「聞いたことないなあ。この辺りに出るモンスターは蛇とかカエルとか、あとは熊や狼の鴨ばっかりよ」


「んー、たしかに、ここに来るまで沼地のモンスターがほとんどでしたね…」


「村長やオババなら何か知っているんじゃないかな?」


「はっ!そうですね!ちょっと聞きに行っていただけませんか?」



 この村ではルッカのような種族と交流のある者は少ない。モンスターと間違えて攻撃でもされたら面倒くさいのだ。



「じゃあここで待ってるといいわ、オババがそろそろお茶を飲みに来てくれるはずだから」



 こうしてルッカはオババを待つことになる。

 その間、ルッカは土のついた体を洗い、宿の床掃除や椅子を拭いて回ったりとテトの手伝いをしながら時間を潰した。


 程なくしてカラコロとドアベルが鳴り、宿の入り口からオババがやってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ