魔王城、貸し出し開始1
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今日、魔王城貸し出しサービスが始まる。
魔王は緊張していた。
「このような企画で、本当に利益が上がるのか。」
考案した本人が何を言っているのだろう。
頭に浮かんだ考えを振り払う。
「希望者がいらっしゃいました。」
ルエイーナが連れてきたのは、幼馴染みの魔王「カゲロウ」と「タツマキ」だった。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
「グンジョウ、こんな事をしないといけない程落ちぶれたかw
まあ、丁度いいから使わせて貰うぜ。」
カゲロウはいつも通り影が薄く、タツマキは相変わらず嫌な性格だ。
魔王なのになぜ魔王城を借りにくるのか。
魔王はカゲロウに問う。
「はっ、そんな事もわかんねーの?
またあの石頭雷クソ親父に追い出されたからだよ!
暫く貸し出しのやつで泊まろうと思ってな。」
魔王は厳つい老人、イカヅチを思い浮かべる。
「申し訳ございませんが、魔王城貸し出しサービスの中に宿泊は入っておりません。」
ルエイーナの冷静な声が響く。
「マジかよ!?…じゃあ普通に泊まらせて?」
切り替えが速いタツマキ。
無駄に顔が良いので効果は絶大だ!
「………わかった、わかったよ!!勝手に泊まってけ!」
グンジョウは諦めた。
「あの、そろそろ僕も話していいかな?」
すっかり忘れ去られていたカゲロウが口を開く。
「「「忘れてたっ!!」」」
3人の心の声が完璧にシンクロ。
「そうだった、なんで借りに来たんだ?」
平静を装って問うグンジョウ。
「実はうちの子の誕生日でね、珍しい所がいいってごねられて…」
少し困りながら話すカゲロウ。
「うちの子ってあいつか?あの、性格キツイウサ耳女?」
説明しよう!
ウサ耳女とは、カゲロウがある日拾ったうさぎだ!
いつの間にか人化していた!
見た目は美人だが、性格は甘やかされて育ったせいか物凄くキツい!
「うん。だから、2週間後に予約をお願いできるかな?」
こうして、初めての貸し出しは2週間後となった。