魔王城公式グッズの海
魔王は見てしまった。
魔王城公式グッズの海を。
無造作に積み上げられた魔王城ペンポーチ、魔王城Tシャツ、魔王城危機●髪、魔王城トレーディングファイル、魔王城シャープペンシル………その他沢山のの種類の魔王城公式グッズを。
「嘘……だろ?」
ルエイーナが、
「魔王様、これが現実です。」
そう言った。
静かになった魔王。
囁くような声で言う。
「……ばいい。」
「何と仰いましたか?聞こえませんでした。」
怪訝な顔をしたルエイーナが聞く。
「魔王城公式グッズは小学校などに寄付する。
そして、魔王城(の使っていない部屋)をパーティースペース的な感じで貸し出す。」
ルエイーナは、驚き過ぎて感覚が麻痺しているようだ。
「はい、わかりま………え?」
時間差で言葉の意味を理解する。
「本気ですか、魔王様!?魔王城(全体)を貸し出すのですか!?」
すれ違う言葉の意図。
それに気づかず魔王は言う。
「そうだ。」
「考え直してください!!いくらなんでも魔王城を貸し出すのはいい考えだとは言えません!せめて使っていない所だけにしてください!」
ルエイーナのヒステリック感のある声でほぼ聞き取れなかった魔王。
なので書類を作成することにした。
右手の平を上に向け、どのようなものを作るかイメージしながら書類を作っていく。
その間たったの10秒。
保険に入るのと同じ時間ほどで書類が出来上がった。
「こういう風にしたいんだが」
ルエイーナに手渡す。
勿論魔術で。
「ありがとうございます」
不服そうな顔で受け取るルエイーナ。
そこでやっと、すれ違いが無くなる。
この後から本格的?に貸し出し始めます。
長くてすみません。。。