晩酌、あの人と雨
赤い光を窓から照らす太陽は
いつも熱い刃物で刺してくる
刃物の間に守るのが雲という黒く白い生き物
偶然だったんだよ
そいつは軽い笑みを浮かべ
またどこかへ去ってゆく
ありがとう
その言葉さえも言えずに
飛んで行く
窓辺を陣取ったあの大将は
いつも笑っている太陽のように
あの熱い生き物はなんていいやつなんだろう
微笑むあの人に
グラスを向け
いざ晩酌の時
敬語も何も見えない言葉
また一つ雨がちらり
ちらり、ちらりと降っていく
肉をつたって落ちていく