バイト誕生
最近転生したら勇者とか魔王になる小説が多くて、辟易していた俺だったが、
転生願望は常日頃持っていた。
1Kのアパートで独身、童貞。
仕事といえば、時給740円のコンビニバイト。
あー転生でもして、金持ちになりてぇーな。とか思っていた。
そんな俺だったが
ある日の朝、目を覚ますと、いつもの1Kではなく荒野の真ん中で寝ていた。
(いやいや、これはないわ。もう一回寝るか。)
俺はもう一回寝ようとしたが
強風で俺のふとんは吹き飛ばされた。
(おれのふとん、返してーーーー)
俺は、パジャマ姿のまま、立ち尽くした。
(これはまさかの転生か、小説通りじゃん。)
転生小説は嫌いだったが、読破していた俺は、非常にわくわくしていた。
どうやら、この世界では、アイコンで自分の状況がわかるみたいだ。
(えーっと、レベルはどうかな?)
レベルを確認したら
(Level 2)と表示されている。
(職業はなんだろう?勇者かな?英雄かな?もしかしたら魔王?)
アイコンの下の職業欄をみると
(無職)になっていた。
(スキルぐらいあるのかな。
スキルは
(接客)になっていた。
諦めた俺は、歩き始めて、こう叫んだ
(バイトを探すか!)