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自問自答

作者: 淳平

 夢の中のあなたはいつも笑っていて、場所はいつも二人でいった喫茶店であなたは決まって紅茶とパフェを頼んでいた。 

 夢というものは時に懐かしさや尊さを思い出させてくれることもあるけど、時に残酷で今では思い出したくないあなたの匂いや癖なんかもそれはもう本物じゃないかって思うほど再現されていていつも鼻の奥をツンっとさせられる。 それも悪くないって思う私もいるのは確かなんだけど。

 昔、あなたが言っていたように「高校時代によく聞いていた音楽ってさ。 ふとたまに何気なく聞くと、その時の風景とか匂いとかその時抱えていた悩みとかそういうの、全部思い出すんだよな」って言葉。 最近私もそう思うようになった。 私も歳を取ったのかな。 それとも単にあの頃から何も変わってないのかな。 なんてそんなことを考えている時点でまだまだ私は子供なのかもしれないけれど。

 小学生の頃、大人になった自分への手紙を書いた。 その手紙が最近私の元へと十数年越しに届いた。 薄い桃色の便箋に書かれた私の未来予想図とは今の私とはかけ離れていた。 あの時は、二十歳を超えたら自然と大人になれる気がしていた。

 でも、変わったのは年齢と大人という肩書きだけで私はほんの小さなことでも受け流すほどの器量も持ち合わせていないし、言わなくても良いことをついつい言いたくなるのだ。 そんな感情も次第に薄れて「あの時は若かった」なんて思う時が来るのだろう。 きっとこの私の感情はありふれている。

 まあ、私は普通の人間だ。 

 そしてそんな「普通」を愛している。

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