8.お買い物。セリカと一緒に(後篇)
胸も腰も、きっちりガードすべきところは金属のプレートでちゃんとガードされているし、薄く見えるお腹のあたりだってちゃんと強力な蜘蛛の糸を縫い込んだ布のよろいで守られている。
ちなみに足は出ちゃってるけど、今までの装備がブルマだからそれは同じことなんだよね。
でも、それは着てみた感覚、までの話。
鏡を見たときの感想は、180度真逆だった。
そりゃ、セリカはいいよ。
デザイン的に強調される胸の部分は、控え目とは言えちゃんと膨らみ初めているし、お尻の形だってちゃんと出るところは出て、引っ込むところは引っ込む感じで・・・。
要するにかっこいいのだ。
それに比べて、6歳のわたしは胸は完全にぺったんこだし、お尻だってちょっとは出てるかもしれないけどセリカみたいにちゃんとした女の子体形にはまだまだ程遠い。
だいたい子供には、子供に似合う装備っていうのがあると思うんだよね。
それに、腰鎧の上のプリーツスカートだって、セリカのは凄くかっこいいのに、なぜかわたしはパンツ丸出しみたいになっていてすごくかっこ悪い。
セリカの身長とスカートの長さの比率と、わたしの身長とスカートの長さの比率はそんなに変わらないはずなのに・・・。
まあ、もともとプリーツスカートはただの飾りで、ビキニ型アーマー自体は見えてもいいものだ、って言っちゃえばそうではあるんだけど・・・。
何て言うか、分かりやすく言うと、まだオムツをしているような子が、スカートの下からオムツ丸出し、って言うのと同じようなカッコ悪さなのだ。
「やっぱりこの格好は無理!」
ってわたしは言ったけど、セリカに
「ももちゃん十分かわいいし、それにスカートだってすぐに女の子らしい仕草とか身に付けたらすぐに似合うようになるよ」
って言われて、結局この装備で行くことにした。
ずっと体操服と紺ブルマーのまんまって言うのも嫌だからね。
「ねぇももちゃん、私の真似して立って見て」
セリカはそう言うと、軽くポーズを決める。
言われた通り真似して見ると、いきなりセリカみたいに格好良くなれる訳じゃないけれど、それでもちょっとかわいく見えるようにはなったし、何よりパンツ丸出し状態ではなくなった。
「気を抜いたらダメだけど、ちゃんと気をつけてたら大丈夫かも!」
わたしは正直な感想を言った。
「実は、私もそうなんだよ。私だって気を抜いたらすぐに格好悪くなっちゃう。だけどずっと気をつけているからずっと強い自分でいられるんだって思うの。だからももちゃんも私と一緒に頑張ろう!」
セリカってば、ホントに成長したなあ・・・。
わたしが見守ってあげなきゃ、って思ってたのが、逆にわたしの方がこうやってずっと元気付けられてるもん。
このまま、ずっとセリカと一緒に勇者を目指して頑張って行けたら・・・、って思ったけど、そこまで考えた後、わたしは急に現実に引き戻された。
だって勇者になれるのはたったの一人だけなのだ。
つまり、わたしたちが2人そろって勇者になれることは決してないということ。
そして、もしも勇者になるのがセリカだった場合、その時わたしは存在することすら許されないということなのだ・・・。




