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22.エピローグ~本当はここからが始まりなんだけど~

「まさか曲がりなりにも勇者の力を持つ者がそのような行動に出るとはね。だけど既に、勇者の力のうち3つはボクの手中にある。魔王様を倒すためにはそのすべてを集めるしかないから、その前にボクを倒さないとならないけど、君たちには十分に恐怖を与えてやったから、もはや二度とこのボクに挑もうとは思えないだろうね。つまり君たちは勇者の力の一部を持ちながらも、何もできずに怯えて暮らすことしかできなくなったのさ!」


 それは、大悪魔ルイーズの捨て台詞でもあった。


 そう言ってから、大悪魔ルイーズは高笑いを響かせて、そして風のように消えた。


 その瞬間、最後まで辛うじて両足で立ってはいたセリカがへなへなとその場にしゃがみ込んだ。


 他の子たちも、みんな腰を抜かしていた。


 勇者らしくない大きな泣き声で、みんなわんわんと泣いた。


 だけど・・・わたしたちは、なんとか生き延びることだけはできたのだ。


「ありがとうももちゃん。今回は本当にももちゃんのおかげで命拾いしたよ」


 セリカはわたしにお礼を言って抱きついてきた。


「他人を助けるために、みっともないことをできるのも、きっと勇気なんですわ。わたくしにはとてもできないことですもの。わたくしは認めてあげます。一番小さなあなたにも、ちゃんと勇者に相応しい心が宿っているってことを・・・」


 そう言ったのは、エミュリさんだ。


 今度のことではエミュリさんも、だいぶこたえたんだろう。


 前までのイメージなら、エミュリさんがこんなことを言うなんてとても思えなかったから・・・。


 けど本当は、わたしはみんなに謝らないとならないくらいだ、と思ってる。


 だって、前世のわたしがあいつらを復活しないようにちゃんと対処していたら、そもそもみんながこんな怖い思いをしなくたってすんだはずなんだもん。


「私たちも、まだまだ力不足だったわね。あんなやつに負けないようにするためにもっともっと頑張って強くなろうよ。みんなで!」


 セリカはそう言った。


 最後には勇者の力を一つにまとめないと魔王には勝てないんだけれど、本当はみんなで勇者を目指したい。


 セリカはそう思ってるみたいだった。


「あたしたちは勇者の力は取られちゃったけど、剣士とか魔法使いとしてみんなのお役に立ちたいな!」


 そう言ったのはマリアちゃん。


 そしてレミアちゃんも、妹の言葉にうんうんと頷いた。


 だから。


 わたしたち5人の女の子の、魔王を倒すための冒険は、まだこれから始まるところだ。


 だけど、わたしはこの先のお話をすることを少しためらっている。


 何故ならこの物語にハッピーエンドが訪れることは決してないから。


 これからみんなでものすごく頑張って、大悪魔ルイーズに奪われた勇者の力を全部取り戻して・・・そしてみんなの勇者の力を結集して魔王に挑む。


 それがこの物語のクライマックスになる。


 そしてその役割を担うのはきっと立派な勇者様に成長したセリカになるんだろう。


 だけど勇者の力をセリカに渡したその時・・・わたしは消えて、いなくなるのだ。


 私が消えてしまったことで、セリカの心が折れて魔王に負けてしまうなんていうことが無いように・・・女神さま、そこのフォローだけはちゃんとお願いね!


 もしかしたらわたしが消えちゃうその瞬間に、一緒にわたしの記憶もみんなから消えちゃったらいいんじゃないかな。


 そしたら、そんな心配しなくていいもんね。


 セリカが魔王を倒してくれて、世界を救ってくれるなら、それでいいのだ。


 だってセリカは、わたしの憧れの勇者様なのだから。


ここまで読んでくださった皆様、どうもありがとうございます。

もともとこのお話は今回のゴールデンウィークに集中的に書く前提で始めているお話なので、とりあえずこれでひと段落です。

本当はここで完結にするつもりでしたが、一応次の長期休暇の時にでも続きを書こうかなあ・・・とか迷っていたりします。

なので、完結にはしませんがしばらく更新はありません。

もしも私の創作意欲が湧いたら、夏休みか冬休みか、1年後のゴールデンウィークにでも・・・。

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