10.他のみんなにごあいさつ【マリアちゃんとレミアちゃん②】
まさかの・・・衝撃の展開!!
いきなり大ピンチになっちゃったよ。
このままうさぎさんに変えられて、魔法少女のお付の妖精扱いみたいになっちゃうの!?
男から女の子への転生を経験しているわたしとしては、そんなこともありえる、と思ってしまう・・・。
今度はわたしが冷や汗を垂らす番だ。
マリアちゃんは大真面目に言っている!
・・・なんだけど、レミアちゃんはちょっと呆れたように、ふうっと大きなため息をついた。
「それ、マリアが考えた魔法少女の、『ただの設定』だから気にしないで・・・」
え?
え??
え???
わたしの頭の中は?マークでいっぱいだ。
・・・だけど、いっかい大きく深呼吸をして、それから冷静に考えてみたら、なんとなく状況が飲み込めたのだった。
つまり、魔法少女が大好きなマリアちゃんのお願いで、レミアちゃんはその魔法少女を演じていた、というわけだ。
まあ、レミアちゃんは本当に魔法使いではあるんだけどね。
もしかしたら他に、まだまだたくさんの設定が隠されているのかもしれない。
『倒さなきゃならない敵がいる』とか『守らなきゃならないものがある』とかね。
レミアちゃんの魔法少女の格好は、ひとことで言ってかわいい。
あれは恥ずかしそう・・・とは思うんだけど、一方で6歳のわたしの心は、『楽しそう!』とか『もっといろんな設定が知りたい!』とかも思っちゃっていた。
レミアちゃんの手前、そうは言えないけど・・・。
「でも、人のお部屋を勝手に覗くなんていい趣味じゃないわよ。あなただって小さくても勇者の卵でしょ?一体、なにをしに来たの??」
やっと、レミアちゃんは少しだけ冷静さを取り戻してきたみたい。
わたしは正直に、
「あいさつを、させてもらいにきたんです。でもそれだけじゃなくて・・・みんな、どのくらい勇者様にふさわしい子たちなのか、知りたいと思ったんです」
って答えた。
正直言うと、マリアちゃんとレミアちゃんが勇者に相応しいかどうか、は良くわからなかった。
でも、少なくとも2人ともすごくいい子、だとは思う。
「まあ、そういうことなら別にいいけど・・・でも、さっき見たことは絶対誰にも言っちゃダメだからね!」
レミアちゃんはすごい勢いで迫ってきた。
「言いません!絶対!!」
わたしは即答する。
ていうか、言うわけがないし!
「ホント!?それ、証明できる??」
レミアちゃんはさらに念を押してくる。
だから言わないってば・・・けど、証明しろと言われるとそれは難しい。
わたしは1、2歩後ずさった・・・。
さっきから、冷や汗を流しっぱなしだ・・・。




