表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

世界の終わりを変える簡単な方法

作者: 水星虫

日もすっかり落ちて暗くなってしまった部室等の一角で支倉(ハセクラ)は小説を読んでいた。セカイ系とよばれる数年前に流行っていたジャンルだ。ざっくり言ってしまうとこのジャンルはヒロインすごい、主人公普通、世界の終わりの三本柱から構成されている。いま現に支倉(ハセクラ)がよんでいる作品でも宇宙からの謎の飛来物によって地球の大気に異変が起きて人類が徐々に滅びていってしまう世界観だった。支倉(ハセクラ)がちょうど中盤あたりまで読み進めているとがらららと部室の扉をあける音がする。入ってきたのは部活の先輩である琴浦マユだ。



「先輩、世界の終わりってどうしたらいいと思います?」

支倉(ハセクラ)は持っている本の表紙を見ながらいきなりマユにそう尋ねる。


「バンドの話ですか?」

「いえ、普通に世界が終わってしまうことについてです」

「いきなりですね、私にはちょっとわかりませんよ」

マユは首をかしげながら支倉の質問にそう答える。


(いきなり先輩に何を聞いてるんだおれは……)


「でも『せかいのおわり』を簡単になくす方法なら私でもわかります」



そういうとマユはマッキーを持ち、きゅっきゅっと動かしてホワイトボードに『せかいのおわり』と書きこむ。そして『せ』の部分にニ重線をひくと上に丸っこい字で『は』と書きこんだ。


『はかいのおわり』


「ほら、世界は終わりじゃなくなりました」


自信満々に胸を張る先輩を見て支倉(ハセクラ)はくすりと笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こういう短編本当好きです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ